今シーズンのプレミアリーグで、旋風を巻き起こしているマンチェスター・シティ。タクシン・シナワット元タイ首相によるクラブ買収で潤沢な資金を得たマンCは、昇格争いを演じた昨シーズンからメンバーを一新。元イングランド代表監督のスベン・ゴラン・エリクソンを招聘したチームは、シーズン開幕から着実に勝点を積み重ね、現在リーグ3位につけている。

 そんなマンCの飛躍について、ニューカッスルのMFジョーイ・バートンがコメント。昨シーズンまでマンCでプレーしていた25歳は、降格争いを演じた昨シーズン終了後に退団を決意。キャリアのステップアップを求め今夏ニューカッスルへ移籍したバートンだが、今シーズンの古巣の好調ぶりについては「俺のおかげ」と豪語している。

「マンCには昨シーズンの俺の活躍に感謝してもらいたいもんだ。俺はもちろん、マイカー・リチャーズやリチャード・ダンが頑張ったおかげで、プレミアに残留できたんだ。俺たちの活躍がなければ、シナワット会長もエリクソン監督も、マンCに来てないはずだからな。昨シーズンは本当に紙一重だった。いくつか重要な試合に勝てたから、降格を免れたんだ。確かに今シーズンは調子が良いようだ。だが、あまりはしゃぎ過ぎると痛い目を見るぜ」

 古巣が巻き起こす旋風について、自らの功績を主張したバートンだが、ニューカッスル移籍については「まったく後悔していない」とコメント。リーグ戦では10位に甘んじるニューカッスルだが、新チームこそ“ビッグクラブ”に相応しいと語っている。

「ニューカッスルはビッグクラブに成長する力を持っている。マンCの悪口を言うつもりはないが、マンチェスターの街では、どうしたってマンチェスター・ユナイテッドがトップクラブだ。どれだけマンCが頑張っても、その序列が変わることはない。ニューカッスルのいいところは、街にあるプレミアリーグのクラブがニューカッスル・ユナイテッドだけというところさ。このクラブは大きな可能性を秘めている。いまプレミアは4強時代と言われているが、それが5強になるのも時間の問題だ」

 古巣に手厳しい評価を与えたバートンだが、自身はプレシーズン中に負った中足骨骨折からの復帰に向け、現在調整中。火曜日のリザーブ・リーグで45分間プレーしており、復帰は間近と見られている。そのコメントに、古巣の躍進に対する悔しさも覗かせるバートン。過去の暴力事件などで、プレミアでも一、ニを争う問題児として有名な25歳は、自らの決断を正当化すべく、一刻も早くピッチに立ちたいといったところだろう。