バルセロナのカンテラ出身で、マンチェスター・ユナイテッド所属のDFジェラール・ピケ。今シーズンは期限付きレンタルでサラゴサでプレーし、素晴らしい活躍を見せているピケだが、今シーズン終了後にもマンUに戻ることを決めている。しかし、そのままスペインに留まる可能性もでてきた。この夏、バルサとマンUがFWエイドゥル・グジョンセンとピケの交換トレードを検討している、とイギリスでは報じられいる。

「僕はマンチェスター・ユナイテッドと契約しているし、僕の将来について何も話していない。僕がクレ(バルサファンの愛称)だってことは秘密でも何でもない。いつも言っているように、僕の希望はいつかまたバルサでプレーすること。マンチェスターにはとても感謝しているし、トレードの可能性について彼らとは何も話していない。僕はマンチェスターに尽くす義務があると思っている」。

 自身のトレード説は何も知らないとピケはコメントとしているが、バルサでプレーするという夢があることも認めている。

 マンUのアレクス・ファーガソン監督は、リーガでのピケのプレーをしっかりチェックし、数ヶ月前からピケをクラブに復帰させると決めている。ピケは来シーズンのファーガソン監督のプランにも入っているが、マンUにはフォワードが不足し、ディフェンダーが余っているという問題もある。オーレ・グンナー・スールシャール、ルイ・サハの負傷、トッテナムへの移籍が噂されるアラン・スミス、とフォワード陣が手薄となること明らかであり、フォワードの補強がより急務であるという。

 マンUが興味を示すジョンセンは、チェルシーで6年間、高いレベルでプレーし、その実力はプレミアリーグでも証明済。プレミアリーグ2連覇に加え、チャンピオンズリーグ制覇という目標を掲げるマンUは、グジョンセンの能力に注目し、獲得を狙っている。しかし、ファーガソン監督はグジョンセンを金銭で獲得したいとは思っていないようで、そこでピケとの交換トレード案が浮上したようだ。

 グジョンセンの父で代理人のアルノール氏は、「マンチェスターからの話はない。噂は知っているが、正式な話は今のところ何もない。いずれにしても、バルセロナの考えを知るためにもリーガが終わるのを待つ必要がある。それから事ははっきりするだろう」と“スカイ・スポーツ”に伝えている。一方のピケも同じように「僕の将来は僕次第ってわけじゃない。マンチェスターにはただ感謝することだけ」とコメントを残している。

 来シーズンに向けてバルサがセンターバックの補強を急務としているのははっきりしており、ASローマのDFクリスティアン・キブ獲得に動くとの噂もある。センターバックの補強が必要なバルサとFWの補強が必要なマンU、と両クラブの思惑は一致している。今後の動きに注目したいところだ。

(スペイン通信)