9日、定例会見でホワイトカラー・エグゼンプション導入に理解を求めた日本経団連の御手洗会長。(撮影:徳永裕介)

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日本経団連の御手洗冨士夫会長は9日、東京・大手町の経団連会館で行われた定例会見で、与党から参院選などを考慮して現時点でのホワイトカラー・エグゼンプション導入に慎重な意見が出ていることについて、「(選挙に)直接関係ないのでは」と述べ、改めて通常国会での法案提出を望む考えを示した。

 ホワイトカラー・エグゼンプションは、いわゆるホワイトカラー労働者に対する労働時間規制を適用免除する制度で、労働時間に対して賃金を支払うのではなく、成果に対して賃金を支払う仕組みとされる。残業代がゼロになるため、サービス残業の合法化だと指摘する声もある。日本経団連では年収400万円以上の労働者に適用すべきとしているが、与党の公明党は導入に基本的に反対で、自民党の中川秀直幹事長も現時点での導入に慎重な姿勢を示している。

 御手洗会長はホワイトカラー・エグゼンプションについて、「現在ある状況を、ある意味整理するもの。時間と仕事の達成が、必ずしも一致しないものがたくさんある。裁量的な仕事に携わる人たちに適した方法として提起したもの。働く方から言っても、今までと違った自由な働きができる」と強調した。

 その上で「残業コスト削減のおそれから、いろいろ言われているのだと思うが、私はそんなことはないと思う。今、労使関係はしっかりしている。乱用の問題は排除されるべきだし、しっかり労使で話し合って導入するわけだから」と述べ、導入に理解を求めた。【了】