湖南市公式Vtuber、なぜ誕生? 市長に経緯を聞いてみたら...「突然(頭の中に)降臨してきました」
滋賀県湖南市で2019年3月1日、市の公式Vtuber(バーチャルユーチューバー)が誕生した。ネコ耳が印象的な「Minami」だ。
湖南市公式VtuberのMinami(C)2019 Konan City
このMinamiが、市の公式YouTubeチャンネルで湖南市の魅力や市の情報を発信していくのだという。
そこで、Jタウンネット編集部は市長を直撃。新たに誕生したMinamiへの愛を語ってもらった――。
「湖南市からのホンモノの愛と情報をお届けしてほしい」
(C)2019 Konan City
編集部が5日、谷畑英吾市長に連絡を試みると、その日のうちに回答があった。谷畑市長といえば、「日本一ユニークな市長」といっても過言ではない人物。Jタウンネットでも、過去に「謎のコスプレ男にDM→『湖南市長と申します』の超展開 ユニークすぎる市長ツイッターが話題」という記事で紹介している。
どういった経緯でMinamiが誕生したのか聞くと、
「11月のあるとき、突然、(※編中:頭の中に)降臨してきました。自治体がVtuberを持ってもいいじゃないかと。調べてみると、茨城県の『茨ひよりちゃん』と北広島市(北海道)の『クラーク先生』くらいしか事例がなかったので、それなら生み出しちゃおうと」
と相変わらずユニークな返答。しかし、
「職員にVtuberをつくろうと言うと『???』だったので、ひよりちゃんみたいなものだよと教えると、調べて理解したようでした。もしかして、ここでキズナアイを示していたら反対されていたかもしれませんね。さっそく12月市議会に補正予算を認めてもらい、3月1日のスピードデビューとなりました」
と市長の突然の提案に当初は職員も困惑していたようだが、なんとか理解を経て晴れてデビューとなったようだ。
Minamiへの率直な気持ちを聞くと、
「Vtuber界への参入は遅いくらいですが、自治体としてはまだまだ試験的な取り組みなんです。市役所のおしごとは、市民のみなさんに行政情報が届かなければ動き出しません。しかし、最近では市の広報誌やホームページどころか新聞も見ないような人も増えてきました。価値観が多様化していますので、Minamiを受け入れてくれる層もあるはずです。Minamiには、Minamiを心から愛していただけるみなさんにしっかりと寄り添い、湖南市からのホンモノの愛と情報をお届けしてほしいと思います」
と熱い思いを語ってくれた。
最後に、市長のMinamiへの愛を例えるならどんなものか聞いてみたところ、
「そこに愛はあるのか、と聞かれれば、あるようであり、ないようでもあります。愛があるからこそMinamiは誕生しましたが、生まれた以上はMinamiがみなさんから愛されることこそが何よりの希望です。そこに個人的な愛を差しはさむ余地はありません。あのぅ...、それほど変態ではありませんよ」
とたしなめられてしまった。