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 最近、ネット上で「子供部屋おじさん」なる言葉が注目されているようだ。そもそもは、5ちゃんねるから発生した言葉と言われていて、定義は「実家の子供部屋で暮らしている未婚中年男性」とされているようだ。特徴としては学習机が置いてある、ジャンプ漫画やフィギュアがそのままなどが挙げられるという。

 2月26日、シンガー・ソングライターの岡崎体育が、子供部屋おじさんに関するツイッターのまとめをリツイートし、「俺やんけ」と呟いたことから注目が集まったようだ。

 ネット上では「子供部屋おじさんwwwまた凄い言葉ができたな」「『子供部屋おじさん』の闇深さ…」「子供部屋おじさんトレンド入りワロタ」「子供部屋おじさんっていうより学習机おじさんやんw」など、子供部屋おじさんというパワーワードに興味を惹かれた声が続出。

 社会人となっても親元で生活する独身者は過去も話題となった。1999年発売の山田昌弘氏の著書『パラサイト・シングルの時代』(筑摩書房)で話題となった「パライサイト・シングル」だ。ただ、この言葉は主に若年未婚女性を指して使われていたようで、子供部屋おじさんとは定義が異なる。

 パライサイト・シングルと呼ばれた時代から約20年。新語が生まれた背景には、親元で生活する独身者が増加し続けている現象があるようだ。総務省統計研究研修所の「労働力調査」によると、親と同居する未婚者数は1980年の約1600万人に対し、2016年は約1900万人に増加。若年未婚者(20〜34歳)は45.8%増、壮年未婚者(35〜44歳)は16.3%増、高年未婚者(45〜54歳)は9.2%増と、年齢層別でも増加傾向にあるという結果になった(※データはいずれも各年9月時点で計測)。

 ネットでは「中身は子供のまま年食った感じか」「実家住まいとかパラサイトとか字面で誤魔化されがちだが、子供部屋住み続ける妖怪」「ウチにも子供部屋おじさんがいるw」「敗北者の末路」「家に金も入れない子供部屋おじさんは頭も子供」と、子供部屋おじさんに対する批判的な声が多く見られた。

 一方で、「子供部屋おじさん」というワードに否定的な人も。「一度も実家を出たことがなくても別にいいじゃん。わざわざ煽るみたいでキモい」「親のせいで家を出なくちゃいけなかった者としては幸せな人たちかなって思える」「いやな言葉が生まれたな」「独り暮らしができない経済状況の人もいるのに叩かれるって」「誰にも迷惑かけてないじゃん?何が問題?」との声が寄せられた。

 バブル崩壊後、長く続いた不況、いわゆる「氷河期世代」には大量の非正規雇用者を生み出し、パラサイト・シングルの道を選ばざるを得なかった人も数多くいた。非正規ゆえに結婚を諦め、親との同居を選んだパライサイト・シングルも多いとの見解もある。「子供部屋おじさん」が、そうした20年前の若者を指す言葉だとしたら、あまりにも悲しい。

引用について
岡崎体育公式ツイッターより
https://twitter.com/okazaki_taiiku