準々決勝のベトナム戦でもハンド判定により先制点を取り消された吉田。VARに泣かされたアジアカップだった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 史上最多5度目の戴冠を狙った日本代表の野望は、あと一歩のところでついえた。2月1日にUAE・アブダビで行なわれたアジアカップ2019決勝でカタール代表と雌雄を決し、結果は1-3の敗北。前半に奪われたふたつの得点がともにスーパーショットだったとはいえ、90分間を通して攻守両面に課題が残るパフォーマンスだった。

 その大一番で日本のファンを落胆させたのが、83分のVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)判定だろう。カタールのCKからアブデルカリム・ハサンがヘディングシュート。これが競り合った吉田麻也の左腕に当たり、ウズベキスタン人のラブシャン・イルマトフ主審はVARをコールする。はかなくもPKとジャッジされてカタールが3点目を奪い、0-2から1点を返して勢いに乗っていた日本はとっては痛恨の失点となった。

 結果的にハサンのシュートを吉田が手でブロックしたのは事実であり、日本では「致し方なし」と見る向きが強いが、海外のファンはどう感じたのだろうか。世界的ネットワーク『Fox Sports』アジア版が拾ったのはまさに彼らの声で、意外にも批判的な意見が殺到しているのだ。同メディアは「ファンは日本を殺す一撃となったVARを批判」と題し、SNS上に飛び交う同情的かつ懐疑的な見解を掲載している。ここでもいくつか紹介しよう。

「日本にとっては大きな失望だろう。だがより絶望的なのは、あのVARが試合を決定付けてしまったことだ。ヨシダがかわいそう。カタールは素晴らしかった。彼らの勝利は祝福したい」

「VARのなかでも最低レベルのジャッジだ。救いようのない主審だったじゃないか。サムライブルーは本当にツイてなかったね」

「あらためて教えてほしい。ハンドというファウルは、インテンショナル(故意)でなければファウルじゃないのでは? こうした判定が下されるたびに頭が混乱する。VARの登場によってその基準はさらに曖昧になってきた」

 
「素晴らしいファイナルだったが、主審のVARによるジャッジで壊れてしまった。家でテレビ観戦していた2000万の人びとが感じただろう。あれはインテンショナルなハンドではなかったと」

「ウズベク主審がVARによって宣告したPKは、なんてバケげたものだったか! サウサンプトンのマヤ・ヨシダのプレーがハンドだって? 終了間際のジャッジでスコアは3-1となり、ゲームは終わってしまったよ」

 今大会のノックアウトラウンドから初めて本格採用されたVAR。夏のロシア・ワールドカップと同様に、アジアカップでも賛否両論に分かれる場面が続出した。今季のJリーグもルヴァンカップで初めてVARが導入されるが、日本国内でもさまざまな議論を呼びそうだ。

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