by rawpixel.com

エナジードリンクはアメリカでも人気を集めていて、若年成人の76%はエナジードリンクを飲んでいるとのこと。「エナジードリンクだけを飲み続けると体にどのような変化が起こるか」という点が科学系YouTubeチャンネルのAsapSCIENCEで解説されています。

What If You Only Drank Energy Drinks? - YouTube

エナジードリンクを飲んですぐに起こる変化として「気分が良くなる」ことが挙げられます。これはエナジードリンクに、小さじ2〜14杯程度の砂糖が含まれているため。砂糖は、幸福感をもたらすドーパミンという脳内物質を分泌させる働きがあります。



エナジードリンクに含まれるカフェインはアドレナリンの分泌を促すといわれています。このため、エナジードリンクを飲んで10分以内にアドレナリンへの反応として心拍数の増加と血圧の上昇がみられるとのこと。



日本で購入可能なレッドブルは1本あたり80mgのカフェインが含まれていますが、アメリカで販売されているエナジードリンクの中には、242mgもカフェインが含まれているものもあります。なお、コーヒー1杯に含まれるカフェインは95〜165mg、紅茶は25〜48mg、コーラは34mgです。



また、エナジードリンクに使われることがあるガラナエキスはガラナという植物の種子から抽出されたもの。ガラナの種子は同じサイズのコーヒー豆の2杯のカフェインを含んでいます。ガラナエキスは常盤薬品の「強強打破」などにも含まれています。



時間をあけつつ1日400mgのカフェインを摂取するのは安全ですが、1度に200mg以上のカフェインを摂取するとカフェイン中毒を起こす可能性があります。



2011年にはアメリカで2万人以上の人がエナジードリンクの飲み過ぎを原因として病院を訪れています。最も多い患者の年代は18〜25歳でしたが、その次に26〜39歳という年代も病院を訪れていたとのこと。



1日8杯の水を飲むところを、すべてエナジードリンクに変えた場合、心拍と血圧が上昇し、高血圧といった循環器疾患のリスクが高くなると考えられています。



オーストラリアにある中毒センターにかかってきた7年分の電話データを調査した観察研究では、エナジードリンクに関する電話は297件あり、最も一般的な症状は動悸(どうき)・興奮・震え・胃腸のむかつきだったとのこと。



しかし、幻覚・脳卒中・不整脈といった深刻な症状も21件報告されていたとのこと。



また、カフェインを含むコーヒーは、ブラックの場合1杯あたりのカロリーは5kcalほどですが、日本のレッドブルの場合250ml缶1本で115kcal。これを1日に8本飲むと920kcalになり、肥満や糖尿病のリスクが増加します。



10年にわたって1日2本以上のエナジードリンクを飲み続けていた人が、突然脳卒中になって3日間の昏睡状態に陥ったという事例もあります。



医師はこの患者の原因について慢性的睡眠不足とカフェインの過剰摂取だと診断しました。



エナジードリンクの摂取は必ずしも危険だとはいえませんが、日常的にたくさん飲むのは控えた方がよさそうです。