呼吸法には「胸式呼吸」と「腹式呼吸」の2種類があって、このどちらにもそれぞれ大切な役割があります。よく腹式呼吸が健康に良いという話もありますが、胸式呼吸だってなければ生きていけません。胸式呼吸と腹式呼吸の違いやメリット・デメリットについてご紹介します。普段自分が胸とお腹、どちらを使って呼吸をしているのかを意識してみてくださいね。

胸式呼吸は交感神経を優位にさせる

肺に空気を取り入れるタイプの胸式呼吸は、ピラティスのエクササイズでよく用いられている呼吸方法です。ピラティスとはインナーマッスルを鍛えて体幹を整え、身体機能をアップさせるエクササイズのことです。胸式呼吸には、自律神経のうち集中力や活動力を司る「交感神経」を優位に働かせる作用があります。ピラティスではこの胸式呼吸をすることによって、頭と身体をリフレッシュさせる効果があるのです。

腹式呼吸は副交感神経を優位にさせる

腹式呼吸はお腹の中に吸った息を取り入れるタイプの呼吸法です。胸式呼吸とは違って、ヨガでよく用いられています。腹式呼吸には、自律神経のうち気分の落ち着きやリラックス状態を司る「副交感神経」を優位に働かせる作用を持っています。ヨガでは腹式呼吸をすることで、身体をリラックスさせる効果がもたらされるのです。

胸式呼吸のメリットはトレーニング効果を上げること

胸式呼吸で交感神経が活発化されると、筋肉が緊張しはじめます。筋肉の緊張は肩こりや腰痛といったトラブルを起こすリスクもありますが、上手く使えばトレーニング効果を高めることにも使えます。筋肉が程よく緊張した状態でピラティスのようなエクササイズを行えば、筋肉に負荷がかかっているためトレーニングが捗るのです。トレーニングや運動を行う際は、胸式呼吸を用いるのが良いですね。また、胸式呼吸では胸を上下させることで、胸の筋肉をトレーニングする効果も得られますよ。

腹式呼吸のメリットは内臓をマッサージさせること

腹式呼吸で副交感神経が活発になれば、全身の緊張がとけて疲労回復に繋がります。実際に人が眠っている時に腹式呼吸になっているのは、睡眠で身体の疲労を取っているからですね。腹式呼吸をすれば横隔膜が動いて、身体の内側をマッサージする効果も期待できます。メリットがたくさんある腹式呼吸ですが、早めの呼吸が必要な運動やトレーニングの最中には不向きです。胸式呼吸も腹式呼吸も、ケースバイケースで使い分けが必要ですね。


writer:さじや