相手の強みを出させなかったのは自分たちです。献身的に戦ったのは自分たちです。もちろん、ゴール前に侵入してゴールしたのも、ゴールを守ったのも自分たちです。勝つ確率を上げるために大事なのは、試合で起こるあらゆる状況に対応できる「自分たち」をもつことです。
 
 選手たちは今回の成功体験で、献身性を打ち出しながら試合をマネージメントすることを「自分たちのサッカー」に加えられたと思います。こうして勝ちと負けの歴史を積み重ねる先に「日本人らしいサッカー」とは出来上がっていくのだろうと思いました。

【著者プロフィール】
岩政大樹(いわまさ・だいき)/1982年1月30日、山口県大島郡周防大島町出身。岩国高―東京学芸大―鹿島―BECテロ・サーサナ(タイ)―岡山―東京ユナイテッドFC。J1通算290試合・35得点。J2通算82試合・10得点。日本代表8試合・0得点/常勝軍団・鹿島で不動のCBとして活躍し、2007年からのJ1リーグ3連覇など、数々のタイトル獲得に貢献。日本代表にも選出され、2010年の南アフリカ・ワールドカップメンバーに選出された。2014年には10年間在籍した鹿島を去ってタイのBECテロ・サーサナに新天地を求め、翌2015年にはJ2岡山入り。岡山では精神的支柱としてチームをまとめ、2016年のプレーオフ決勝に導いた。今季から在籍する東京ユナイテッドFCでは、選手兼コーチを務める。また、同時に解説業・執筆活動にも精力的に取り組み、”3足の草鞋”でサッカー界発展に寄与している。