記者C 清武はぜスタメンで使われなかったのかな? イラク戦で良いパフォーマンスを見せていたのに……。
 
記者A 清武は報道陣に「試合勘って何ですか」って嚙みついたんだけど、噛みつくだけのことはあるかなと感じた。クラブでの出場機会は減っていても、それなりのプレーを見せたし、自信も感じた。なぜオーストラリア戦で先発させないのか疑問だった。
 
記者C 途中から使うにしても、残り10分過ぎてからっていうのはね。香川が全然輝いてなかったんだから、もっと早く清武を入れても良かった。
 
記者B でも、あの状況で香川を清武に代えても一緒じゃない?
 
記者A 全然違うでしょ。オーストラリアのサイドハーフを香川と本田がケアしていたけど、後半はふたりのスタミナが切れてマークに付けなくなった。それで押し込まれっぱなしになり、カウンターも出せなくなった。あの状況でフレッシュな選手を入れれば、セカンドボールを拾える可能性も上がるし、相手へのプレスにも行けるし、入れ替えない理由がないくらいの状態だった。
 
記者C 日本が守備的な戦いを選んだわけだから、香川がああいう状態に陥るのはある程度予想されたこと。にも関わらず、ずっとあの状態でいたのが……。監督の決断力には疑問符が付くよ。「勇気」とか「野心」とか言って、自分が一番守りに入っていた。
――でも、オーストラリア戦で守備的に戦ったのは間違いではないですよね? アウェーで上位チームに負けないように戦うのはセオリーです。
 
記者C ただ、もうちょっと最終ラインは上げるべきだった。あれは本当にラインが低すぎて、反撃の糸口すら見えない時間帯が長すぎたから。
 
記者A 今までセットプレーとPKで失点している日本がべタ引きで守るのは、ある意味で自殺行為。守るにしても、守り方は修正の余地があったね。ただ、長谷部が2次予選の時から守備の修正って言っているんだけど、一向にされない。できないんだろうなとも思ってしまう。
 
――わざわざ自陣でセットプレーを与える守り方をしているのは、本当に自殺行為ですね。
 
記者C 酒井高も「前半は非常に良かったです。後半も同じことを意識してやったんですが、(監督から)より外に意識を持てという指示があって、切り替えたところで失点してしまいました」と言っていましたね。小林に引き気味に守らせたら、そこからやられるようになった。相手の左SBが上がるようになったと。
 
記者B でも、前半から高い位置から取りに行こうとはしてなかったね。アグレッシブな守備はベースとしてあったけど、香川も「前から行ったのは数える程度」だと言っていたし。
 
記者C 前半は能動的な守備ができたと思うよ。回させている感じがあった。
 
記者A そうそう。でも、後半は受け身になって回されていた。本田もそれは言っていたね。「後半は支配されてしまった」と。
 
記者C 前半はサイドハーフを上手くケアして、CBに縦パスを出させていたから上手くカットできた。それができなくなったのは、やっぱり香川と本田がサイドハーフをマークできなくなったから。ハリルホジッチ監督は、「セットプレー対策」のために本田と小林を残したと言っていたけど、だったら香川は代えてもよかったはずだよね。やっぱり選手交代が遅すぎたよ。
【後編に続く】