昨年から今年の初めにかけて社会現象になった中国人観光客による「爆買い」ブームはすでに過ぎ去りつつある。ただ、決して中国人観光客が買い物を全くしなくなった訳ではなく、理性的になったという見方をすべきだろう。(イメージ写真提供:123RF) 

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 昨年から今年の初めにかけて社会現象になった中国人観光客による「爆買い」ブームはすでに過ぎ去りつつある。ただ、決して中国人観光客が買い物を全くしなくなった訳ではなく、理性的になったという見方をすべきだろう。

 買い物の数量や金額は減ったとしても、日本のデパートをはじめとする商店には、中国人観光客を引き付けるに十分な魅力を持っている。それは、客に対する礼儀正しさや細やかなサービス精神だ。中国メディア・今日頭条は17日「彼らは一体誰に敬礼しているのか」と題した動画付き記事を掲載した。

 記事は、東京・新宿にある百貨店の食品売り場の様子を撮影した動画を掲載。動画のなかで「興味深い敬礼の習慣を見つけた」して紹介されているのは、従業員たちがバックルームに戻る際に必ず売り場の方を向いて一礼してから扉を開けて戻っていく光景だ。各ショップの制服を着た従業員も、スーツ姿の男性社員も、みな必ずお辞儀をしている。

 この動画を見た中国のネットユーザーは、出入りする度にお辞儀をする従業員に、日本人のまじめさ、礼儀正しさを感じたようだ。「こんな民族は、本当に中国と戦ってほしくない」、「日本は本当に恐ろしい。10年20年の差ではない、100年以上だ」、「本来は中国の文化だったのに、われわれは捨ててしまったのだ」といったコメントが寄せられた。一方で、「日本人には二面性がある」、「日本人のこういう性格はサービス業にぴったりだが、大規模なプロジェクトには向いていない」、「日本人の文化は理解できない」という意見もあった。

 動画で紹介されたお辞儀は、決してこの職場だけで培われたものではないだろう。日本人は、小さい頃からお辞儀や挨拶をすることを教わり、習慣化するのである。売り場から出たり戻ったりするときの一礼は、客への感謝を示すと同時に、本人にとっても気持ちの切り替えをするきっかけとなるのではないだろうか。中国のサービス業界がこの習慣を学ぶのであれば、礼という動作自体ではなく、「礼をする意味」について考えたうえで、取り入れるべきだろう。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)