「第3者の厳しい目」で見られるとどうなる

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「第3者の厳しい公正な目で」「しっかり調査するのがすべての前提」...。東京都の舛添要一知事が政治資金問題の記者会見でこう繰り返すばかりだったことで会場は大荒れ、ネット上でも怒りの声が止まない状況になっている。

2016年5月13日の定例会見で週刊文春などの指摘について釈明した後も、舛添氏の疑惑が各メディアで連日のように報じられた。

似顔絵まんじゅう、ミニバンなど連日の報道

文春は、5月19日の発売号で大々的に続報を打ち、いくつかの政治資金利用に疑問を呈した。

舛添氏が都知事選に無所属で出馬したにもかかわらず、代表をしていた新党改革への政党交付金400万円強を自らの資金管理団体に移し替えていたと指摘した。これは違法性があるとは言えないものの、本来なら国に返還すべきだったと批判している。

毎日新聞は20日付記事で、舛添氏は、自らの似顔絵が描かれたまんじゅうを政治資金で大量に購入していたと指摘。資金管理団体の収支報告書には、14年3、4月に土産代として10万円ほどが計上されており、もし都内の有権者に配っていれば、公選法違反(寄付行為)に当たる可能性があるとした。

産経新聞も同じ日の記事で、舛添氏の政治資金利用の問題点を報じた。新党改革の支部などの収支報告書には、2012年4、5月に中古のミニバン計2台をそれぞれ100万円ほどで購入したとあり、うち1台は、神奈川県湯河原町内の別荘周辺で使っていたという。この車は、家族も利用しており、本当に政治活動に使われたのか疑問が出ているとしている。

このほかにも、数々の疑惑がメディアに指摘されており、舛添氏が説明責任を果たすかどうかが注目されていた。

ところが、舛添氏は、5月20日の定例会見では、最初から政治資金問題に自らは答えない姿勢を明確にした。

「なぜ弁護士に言えて、都民に言えない」

舛添氏は、公正な目で見てもらう必要があるとし、事務所とは無関係で政治資金規正法に精通した弁護士などにチェックさせるとして、この日は一切、説明しなかったのだ。

記者から何を聞かれても、「第3者の厳しい目で見てもらう」の一点張りで、弁護士にだけヒアリングを受けると繰り返した。舛添氏が弁護士を選ぶと偏った立場になるのではと突っ込まれても、そうでないように複数の弁護士に調査を打診していると答えるだけだった。

こうした受け答えには、記者からも会見の質疑で不満の声が次々に出た。

「知事は自分で判断できないのか」
「なぜ弁護士には言えて、都民には言えないのか」

さらには、「説明しなければ、政治家の資格はない!」とまで言われてしまった。

ネット上でも、舛添氏の姿勢については疑問や批判が相次いでおり、

「壊れたラジオみたい」「ここまで酷い記者会見もないな」「自分が雇う弁護士が厳しい第三者のわけないじゃん」「橋下弁護士に依頼しろ」

などといった声が噴出している。

大学教授などでつくる市民団体は5月19日、舛添氏や会計責任者について政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪で東京地検に告発状を提出したと報じられており、舛添氏のカネをめぐる問題は新たな展開を迎える可能性も出ている。