急性リンパ性白血病という難病との闘病を経て2021年に第9回ハヤカワSFコンテストと第28回電撃小説大賞と二つの新人賞を受賞しデビューした人間六度氏。このたび集英社から刊行された最新短篇集『推しはまだ生きているか』は、現代社会のトピックをSFという手法で軽やかに映し出す5篇を収録。本書はすべてにおいてテーマへのフラットな著者の眼差しが印象的で、優れたリーダビリティも含めユニークながらも親しみやすい物語ばかり。