昨年4月、鹿島アントラーズとの敵地戦だった。日本代表FWの上田綺世がひとり抜け出し、横浜F・マリノスのGKと1対1になっている。「これ、股じゃん?」その刹那、GK高丘陽平(26歳)は、啓示を受けたように急いで股を閉じた。上田のシュートへの入り方、ボールの位置、打つまでの表情、左足の振り方、すべてを瞬間的に分析した結果だった。何より、前年2021年8月の試合で、股を抜かれてシュートを決められた映像が頭に残っ