因習としがらみに縛られた港町で孤独な青年を巻き込む悲劇■『冬雷』(遠田潤子=著1800円+税東京創元社)この記事のすべての写真を見る都会の施設に捨てられた少年が、狭い人間関係と古い因習に縛られた港町に引き取られる。少年は養父の事業を継ぐことを期待され、同時に後継者の義務である鷹匠の修業も始める。やがて親戚筋にあたる神社の巫女である美少女と心を通わせるが、ある悲劇に襲われ、人生を狂わされる──。