関西学院vs伊丹北
市立尼崎戦に続き、好投を見せた谷川(関西学院)
関西学院が強打で圧倒した。なんといっても市立尼崎戦(試合レポート)で先発した谷川 悠希(3年)が安定感抜群の内容であった。「市立尼崎戦よりコントロールが安定していました」と振り返るように、右腕から投じる常時130キロ〜130キロ後半(最速138キロ)のストレートに加え、キレのあるスライダーを投じ、初回から安定した投球。何より135キロ前後の直球を力みなく投げられている点が良い。そのためコントロールが安定しているのだ。 谷川はもともと捕手で入学したようで、その名残があるのか、投球フォームを見るとテイクバックがコンパクトで、腕の振りも内旋気味で、コントロールが安定しやすいフォームだ。180センチ72キロということで、体に成長によっては140キロ台も十分に期待できる。その谷川は打撃も良く、本人は「打てない4番です」と笑うが、何よりバットコントロールが良い。この日も、1回裏に先制となる適時打を放つなど、打撃面でもしっかりと目立っていた。
野手陣で最も目立っていたのが3番の岩井 基泰(2年)だ。182センチ75キロと実に恵まれた体格を誇る右の強打者で、ストレートをどんぴしゃのタイミングでたたき、2回裏、満塁本塁打。背番号は「18」。この春にレギュラーの座を獲得したばかり。まだ高校通算2本塁打ということだが、これから量産体制に入っていく選手であろう。 また野手陣も市立尼崎戦に続き、連日の快打。3回まで11得点を入れ、4回裏には背番号17の歌原の本塁打が飛び出るなど、12対0でリード。
満塁本塁打を放った岩井(関西学院)
打線も目立ったが、谷川以外で目立ったのが、4回から登板した2番手で舞田 航(3年)だ。ガッシリ体型の右腕で、ストレートのスピードは常時130キロ〜135キロ(最速136キロ)で谷川と球速は変わりなかった。感覚的に重く感じるストレートで、しっかりとタイミングを計っていかないとどん詰まりになりそうなものだった。
谷川も「舞田のほうが速いですよ」と語るように、潜在能力は非常に光るものがある。背筋がかなり強そうで、腕の振りの鋭さは、谷川以上のものがある。しっかり指にかかれば、140キロは期待できる投手。舞田も1回2奪三振無失点の好投だった。
5回表、1点を取られて無死一、二塁の場面からライトを守っていた谷川が再びマウンドに登って、あっさりと3人を抑えて試合終了。関西学院がコールド勝ちを決めた。
投打ともに能力が高い選手を揃え、無難な試合運びができる。今後の県大会でも、注目チームに挙がっていくのではないだろうか。
(文=河嶋 宗一)