稼いでくれない提督の下では、彼女たちも出撃しない(できない)のです……。

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【ほぼ週刊艦これ通信】

 育成シミュレーションゲーム『艦隊これくしょん -艦これ-』。知らない人には「キャラが可愛いとか、戦争の悲惨さが伝わってくるとか言っても、結局は戦うだけのゲームなんでしょ?」と思われるかもしれない。

 確かに戦闘パートでは6隻の艦娘を出撃させ、攻め寄せてくる謎の敵・深海棲艦から、味方の拠点や海域を守る防衛戦を行う。ただ、ここはほぼオート。プレイヤー=提督が行うのは、艦娘を編成し、装備を調え、出撃する海域を指定するまで。戦闘が一度始まってしまえば、あとはそれを続行するか、撤退するかを判断するのみ。細かい戦術は艦娘(=部下)に任せて、提督はあくまで味方の被害と戦果を確認し、作戦全般を監督する最高指揮官としての立場を求められている。

 艦娘たちを出撃させれば、燃料や弾薬といった戦うために必要な補給物資は見る見る消費してしまうし、戦闘で傷ついた艦娘の修理も必要だ。

 余談ながら艦娘のダメージは、「入渠」コマンドで回復できる。これは実際の艦船も修理のためには専用の施設であるドック(船渠)に入ること=入渠になぞらえているのだろう。ただ艦娘によっては、

「ちょっとお風呂に……」
「お風呂は嫌いではないけれど……」

 などと口にするので、彼女たち本人は入渠という名の湯船で疲労を癒している間に、壊れた艤装だけを修理しているとも考えられる。

 もちろんこれにも、怪我を液体の満たされた医療ポッドに浸かって癒している、あるいは艦娘そのものがロボットのように工廠で修理されているなど、解釈が多々存在する。

 1月に放映が開始されたアニメでもひとつの解釈(恐らくそれも絶対の答えではない)が明かされる、かもしれない。この点についてはほかの謎共々、真実は提督の数だけ存在するはずだ。

 閑話休題。ともかく艦娘の整備や出撃には資材が大量に必要とされる。新しい艦娘の「建造」や、装備の「開発」にも。艦娘たちを成長させる「演習」にだって、資材は費やされる。ましてや期間限定イベントに参加するとなれば、その間、消耗される資材は膨大なものになる。限られた期間内に目的を果たそうとすると、どうしても常に倍する出撃と修理を繰り返すことになるからだ。

 資材はある程度までは自動的に補充されるけれども、提督が別途部隊を編成して稼ぐことも重要。「遠征」として資材の調達クエストが用意されているし、「任務」のなかには達成すれば報酬として資材が貰えるものが多数存在する。だからマメな提督たちは毎日、なるべく多くの資材を確保しようと、「遠征」や「任務」を回そうとする。時には単なる戦闘目的やマップ攻略を目的とした「出撃」よりも多く、だ。

 実はこの地道な努力、日々の業務こそが、『艦これ』の肝。艦娘たちを万全の状態で送り出すためにこそ、提督は蓄えられている資財の量に気を配らなければならない。

 何事も日々の精進が大切、というところだろうか。マメな貯蓄とか、毎日の予習復習とか……。

 年も改まったところで、ゲームも私生活も、目標をもって取り組んではいかが?

(取材・文/秋月ひろ)