第2シード・霞ヶ浦が相手のミスと下位打線の奮起により水戸商との接戦を制す!

 3回戦の後、中2日で迎えた4回戦。朝9時に球場付近に到着したが、無料駐車場はおろか、民間の有料駐車場でさえ満車という盛況ぶりだった。それもそのはず、第2シード・霞ヶ浦とノーシードの名門校・水戸商の登場である。夏休み最初の日曜日ということもあり、水戸市民球場はほぼ満員の客入りとなった。

 両校の先発は霞ヶ浦が上野 拓真(3年、取手シニア)、水戸商が勝村祐哉(2年、城里城北中、オール茨城)という両エース左腕の対戦となった。

 1回表、水戸商は一死から2番・勝村将太(3年、瓜連中)がセンター前安打で出塁すると、盗塁と内野ゴロで二死三塁のチャンスを作る。しかし、迎える4番・渡邉雅也(3年、見川中)はセカンドフライに倒れる。

 1回裏、霞ヶ浦は先頭の1番・戸部将稀(3年、伊奈東中)がサード強襲安打で出塁すると、2番・小川翔平(1年、水戸シニア)は四球で無死一、二塁のチャンスを作る。しかし、3番・菅原 直輝(3年、取手シニア)はセカンドフライ。4番・平瀬 翔梧(3年、竜ヶ崎シニア)のカウント1ストライクから盗塁を成功させ一死二、三塁となるが、平瀬は空振り三振に倒れる。続く5番・綾部 翔(2年、取手シニア)が二遊間に放った打球を、水戸商ショート・芳賀隼祐(3年、秋山中)が弾いてしまい(記録はセンター前安打)、霞ヶ浦が2点を先制する。

 2回裏、霞ヶ浦は先頭の7番・根本薫(1年、取手シニア)がフルカウントからセンター前安打で出塁すると、8番・上野が送って一死二塁、9番・山本司(3年、新宿シニア)は四球で一死一、二塁とすると、1番・戸部のファーストゴロはセカンド封殺で二死一、三塁となる。続く2番・小川のときに初球を一塁ランナー・戸部が盗塁を試みると、水戸商捕手・海野泰誠(2年、河原子中)はすかさず二塁に送球する。それを見た三塁ランナー・根本薫は本塁を狙いスタートを切るが、二塁からは本塁へストライク返球がされクロスプレーとなる。タイミングはアウトだったが、タッチにいく際にミットからボールがこぼれてしまいセーフ。霞ヶ浦が1点を追加し3対0とリードする。

 4回裏、霞ヶ浦は先頭の6番・山田拓郎(3年、江戸崎中)がセンター前安打で出塁すると、7番・根本薫がショート内野安打。8番・上野が送って一死二、三塁のチャンスを作る。迎える9番・山本が初球を叩いた打球は浅めのレフトフライとなる。三塁ランナー・山田は果敢にタッチアップを試み、またしても本塁クロスプレーとなる。タイミングはアウトだったが、捕手・海野が弾いてしまい、セーフ。霞ヶ浦がさらに1点を追加し4対0とする。

 中盤に1点でも返しておきたい水戸商は、5回表、怒涛の反撃を見せる。

 一死から8番・海野が放ったセンター前安打を皮切りに、9番・芳賀はレフト前安打、1番・小林亮丞(3年、友部二中)はレフト前安打と3連打で一死満塁の大チャンスを迎えると、2番・勝村将太も追い込まれてからライト前安打と続き、1点を返す。さらに一死満塁のチャンスが続くが、3番・江幡俊耶(3年、城里常北中、オール茨城)が初球を叩いた打球はショートゴロ。6-4-3の併殺となり、この回を1点で終える。

 8回表、水戸商は先頭の1番・小林がこの日2本目のヒットで出塁するが、霞ヶ浦エース・上野の素早い牽制に引っかかってしまいタッチアウト。反撃の芽を摘まれてしまう。

 8回裏、霞ヶ浦はさらに下位打線が猛攻を仕掛ける。二死無走者から5番・綾部がヒットで出塁すると、6番・山田が右中間を破る適時三塁打で1点を追加する。さらに7番・根本薫が放ったファーストゴロが投内連携となり、俊足の根本がピッチャーに勝つ形となり内野安打で1点。6対1とさらにリードを広げる。続く8番・上野もレフト前安打で返球の間に2進塁。

 二死二、三塁と一打サヨナラコールドのチャンスとしたところで、水戸商ベンチが動く。

 先発の勝村祐哉に代えて赤堀壮(3年、城里常北中)がマウンドへ送られる。霞ヶ浦も9番に代打・大野雅充(3年、東中)を送るが、大野は空振り三振に倒れ、6対1と霞ヶ浦がリードしたまま最終回を迎える。

 霞ヶ浦は上野に代えてマウンドに安高 颯希(2年、桃山中、オール茨城)を送り、上野はレフトの守備に就く。

 何としても追い付きたい水戸商は、先頭の5番・西連寺悠貴(2年、佐野中)がセンターフライ、6番・赤堀が空振り三振、7番・勝村祐哉がサードゴロに倒れ、試合終了。

 第2シード・霞ヶ浦が6対1で水戸商に勝利し、4回戦進出を決めた。霞ヶ浦は2番から4番が不発だったが、相手のミスと下位打線の奮起により接戦をものにした。

 7番・根本薫は1年生ながらこの試合でも4打数3安打と、これで大会通算11打数7安打と大当たりしている。また俊足の持ち主でもあり、前試合(対つくば国際大高)の観戦レポートでも触れたが、ひと振りで試合を動かすキーマンになる逸材だということが再確認できた。

 一方、水戸商は序盤のミスによる失点で序盤はリズムに乗れなかったが、5回の4連打は見事。このときばかりは水戸市民球場に詰めかけた大勢の水戸商ファンもネット裏から大声で声援を送り、球場全体が一気に地元・水戸商への大声援で包まれた。

(文=伊達 康)