中越vs柏崎
新潟市鳥屋野運動公園野球場第二試合は、県内私学の雄・中越が登場。長打力が自慢の打線が爆発した。
雨の影響で日程が詰まり、前日に続いての連日の試合となった両校。柏崎の先発は連投となる村山(2年)がマウンドに上る。だが、相対した中越打線は、初回から村山に襲いかかる。
初回、中越先頭の小林史弥(2年)が、いきなりレフトスタンドに本塁打を放つと、二死後、今大会注目のスラッガー、4番・齋藤(2年)もレフトスタンドへ運び、2点を先制。続く二回にも、下位打線に連打を浴び、早々にマウンドを背番号1の柳(3年)に譲る。
だが、代わった柳も勢いに乗る中越打線を止めることができず、二回に3失点、三回にも4本の長短打を浴び、3失点。四回には、5番・小野(3年)にライトスタンドへ運ばれ、9対0と大差がついてしまう。
中越先発の星(3年)は、下級生のころから主戦を任されてきた経験を生かし、ボールを低めに集めて、柏崎打線に的を絞らせない。大量リードに守られ、三回をわずか23球、1安打、打者9人で抑える完璧な内容。後を受けた太刀川(3年)も二回を無失点に抑える。
9対0で迎えた、六回には、代打・金子(3年)がレフトスタンドに運び、10対0。最後のは3番手・高橋(3年)が柏崎打線を抑え、六回コールドで、中越が圧勝した。
エキサイティングプレイヤー 小林史弥(中越・2年・一塁手)野球において、1番打者に求められる役割。それは、イチロー(ヤンキース)、や青木(ロイヤルズ)、大島(中日)に代表されるように、出塁率の高さと足の速さ。ヒットや四死球で出塁し、足でかき回し、試合の主導権を握るため、右打者に比べ一塁に一歩近い左打者を配することが多い。だが、中越の打線はそんな既成概念を覆す。
この試合、一番に入った右打者の小林は、2ボール1ストライクの打者有利なカウントから思いっきり引っ張り、レストスタンドへ叩き込むハードパンチャー。二回の第二打席では、右方向へおっつけるヒットを放つと、右翼手が後逸する間に、一気に三塁を陥れるソツのなさ。第三打席では、まるで第一打席のリプレイをみているかのような滞空時間の長い打球をレフトへ運び、フェンス直撃のタイムリーツーベース。三塁打が出ればサイクルヒットという第4打席こそ凡退したものの、核弾頭としては十分すぎる活躍を見せた。
まだ2年生ながら、チームに勢いをもたらす、なくてはならない存在感を示している小林。次は日本文理戦。好投手・飯塚 悟史とのマッチアップは、今年の大会の目玉とも言える対決になりそうだ。
(文=編集部)