創価、コールド負けも光明が見えた1年生・谷井怜央の力投!

 日大三vs創価。

 夏では3年連続の対決である。一昨年夏は準決勝で対戦し、日大三が勝利。昨年夏も準決勝で対決し、コールドで日大三が創価を破っている。創価としては意地を見せたいところだ。

 創価の先発は谷井 怜央(1年)。肘が柔らかく、真っ向から振り下ろす投球フォームから角度ある直球とカーブが武器の投手だ。注目の立ち上がり、谷井は日大三打線を相手にした緊張からか、いきなり制球を乱して、三者連続四球で、満塁としてしまう。そして4番廣谷 真人(3年)にレフトフェンス直撃の二塁打をうたれ、3点を先制されると、続く5番田村 孝之介(2年)にも右前適時打をあび、この回4点を失点する。

 初回に4点を取られた谷井。しかし2回以降、立ち直る。日大三の打者に対しても臆することなく、内外角を投げ分けていきながら、ストレートを狙っているのを見ては、90キロのカーブを投げ、空振りを誘う。谷井は、その後の5イニング連続無失点に抑えた。

 過去に日大三と対戦して、失点した投手は自分で追い込んで、自滅する傾向があるのだが、彼はしっかりと切り替えて、投球に専念出来ていた。4点取られても負けが決まったわけではない。味方の反撃を待って抑えることが大事である。

 1年生ながらこの切り替えの早さ。強豪・日大三相手に先発するのも頷ける。

 だが打線は日大三の先発・釘宮 光希(3年)を打ち崩すことが出来ない。ステップ幅が狭く、上体を鋭く振るフォームから投げ込む130キロ後半の速球、縦横のスライダーに対応できずに無得点。

 そして7回表、ここまで初回の4失点にとどめていた谷井だが、一死一、三塁のピンチを招き、4番廣谷。廣谷は右飛を打ち上げる。犠飛となって、三塁走者が生還し、5対0。一塁走者は犠飛の間に二塁に進塁し、二死二塁となって、5番田村が高めに入った変化球を見逃さず、ライトスタンドへ飛び込む2ランとなり、7対0と7点差になる。ここで谷井は降板した。

 7回裏、後がない創価は一死から6番窪田 修一朗(3年)がこの日2本目となる二塁打を放ち、その後、連続四球で、一死満塁のチャンスを作るものの、無得点に終わり、0対7でコールド負けに終わった。

 今年もコールドで敗れた創価。しかし光明が見えた大会でもあった。それは1年生右腕の谷井の力投。切り替えの早い投球は、今後につながるだろう。立ち上がりさえ気を付ければ、日大三を苦しめる投手になることは間違いない。そして谷井の他に、遊撃手として出場していた八柄 航大(1年)、5番ファーストの古澤 一輝(2年)、7番レフトの茂木 健一(1年)、強肩を披露していた捕手の伊藤 駿(2年)と1、2年生5人がスタメンに名を連ねていた。悔しさを味わった彼らが中心となる秋の大会。選抜を狙えるチームになっているか注目をしていきたい。

(文=河嶋 宗一)

【野球部訪問:第23回 小倉全由監督に聞く チームの徹底力の生み方】