人気サッカー番組＝テレビ東京「FOOT×BRAIN」（5日放送分）では、日本代表の専属料理人＝西芳照氏、美人すぎる料理研究家＝森崎友紀がゲスト出演。日本代表を「食」の観点から支える西氏がその裏側を語った。

1999年にJヴィレッジ総料理長に就くと、2004年のアテネ五輪最終予選におけるU-23集団腹痛・下痢事件をきっかけに、専属料理人を必須と考えたサッカー協会から要請を受けた西氏は、ドイツ＆南アフリカW杯にも帯同している。

「（日本代表の専属料理人となる前は）監督によって付けるか付けないか、監督判断ですね」という西氏。世界各国で行われる代表戦出場選手達の食事については、サラダ一つをとっても「国や地域にもよりますけど、水には一番気を遣いますね。最初、泥とか砂、土とかを洗い流して、その後、塩素で消毒して、水道水で流してミネラルウォーターで洗って出す」という手間のかけっぷりだ。

また、メニューについて、「サッカー協会のほうから、こういう感じでいってくれと。例えば、昼なら肉2品、魚1品、あと温野菜、パスタと御飯、味噌汁とかオーソドックなものですね。基本はビュッフェになってまして、選手が自分の体調とか嗜好にあわせて考えながら摂って貰う」と説明すると、ここで森崎が「身体を作るってことを柱とするなら、栄養士的な観点からいうと、一人これだけ食べましょうっていうカロリー計算。栄養バランスを確立したものを出すのが私達の仕事なので、こういう風には出さないかな」とダメ出しする。

だが、「これですね」と両腕でバッテンを作った西氏は、「選手は自分の身体を自分で管理している。何百試合という試合をこなしてきているわけで、そこは自分で管理するのが一番いい。極端なことをいえば、嫌いなものを出されて食べられないがためにパフォーマンスを発揮できないということにもなりかねない。明日試合がありテンションが上がっている状態で無理やり食べろと言われるよりは、リラックスできる、安心できる状態を作っていったほうがいいんじゃないか」と反論した。

さらに、適時適温で料理を提供するため、食事を摂るスペースの一角で、その場で調理をする「ライブクッキング」も行っている西氏。これが好評で、W杯ドイツ大会の宿舎を決める際、ジーコ監督（当時）から唯一出た条件が“ライブクッキングができるホテル”だったという。その他にも、ザッケローニ監督から、「試合直後に選手たちがパスタを食べれるようにして欲しい」といった要望があったことを明かし、「炭水化物の摂取ですね。30分以内に摂ることによって疲労を残さないっていうのがありますから。ロッカールームにパスタを運んでくれと（現在はおにぎりを提供）。海外では普通ですね」と語った。