――この映画は、金城さんの10年間の軌跡を描いているわけですが、この10年間を振り返ってみていかがでしょうか?

金城:最初サンゴの養殖をはじめた時は、みんな協力してくれると思っていたんですね。実際、サンゴを植えた人が一人もいないんだと思った時は、ビビったね(笑)。海の中の事はみんな無関心だから、自分の危機感と世間の危機感のギャップに驚きました。

岡村:イルカとかは無条件で可愛いからみんな一生懸命保護するけど、サンゴの大切さってすごく伝わりづらいんだなと思いました。同じ生き物なのに。自分もこの映画やらなかったら、そこまでサンゴに目を向けなかったって思いますしね。色んな人がもっと目を向けて、海の事をちゃんと考えてくれるようになればいいなと。金城さんは本当に、10年間ずっとピンチだったと思うんです。

金城:まだ結構ピンチ(笑)。色んな借金あるからね。

――「白くなってしまったサンゴは死んでいる」という事実は、私も映画で初めて知って衝撃を受けました。

岡村:僕も今までは沖縄って「すごい綺麗」と思っていたので、海もサンゴ礁も。本当はそうじゃないっていう事ですからね。昔はもっと綺麗な海だったんだなって考えると、その時の海に潜ってみたかったなと思いますね。これから金城さんをはじめとして、みんなで海を綺麗にしていくのでしょうけどね。

沖縄の現実を知らない人が大半だと思いますね。ダイビングをやっていても、サンゴ礁をじっくりと見ないですから。僕も最初の頃、サンゴ礁の上にフィンで立って、ガンガン手もついていたわけですから、知らないということは恐い事ですね。今はすごいですよ、サンゴに絶対ぶつけないように。

――映画で一番気に入っているシーンはどこですか?

岡村:僕はプロポーズのシーンですかね。一番最初に監督と「どうしましょうか、あそこ」と話した所でしたから。自分もプロポーズしたこと無いもんですから、色んな意味でドキドキしたというか。太陽が沈みきらない、ベストのタイミングで撮影をする為に時間の制限もありましたから。本当のプロポーズもこんな感じなのかなってくらいドキドキしました(笑)。

金城:その当時の記憶が蘇って、チビと嫁さんと励ましあってるシーンを見たら、ヒックヒックするくらい泣いてしまいましたね。後は、反省したかな。もっと頑張らないといけないなって。僕にはとてもプラスになってくれた映画でした。

――夢を持つことを忘れてしまった人が増えている今の世の中で、とても勇気をもらえる映画ですね。

岡村:どんな事でもいいんですけど、この映画を見て何かをはじめるきっかけにして欲しいですね。あきらめていた事をもう一度頑張る力がもらえますね。後は金城さん夫婦がとても素敵なので、結婚を迷っている人は良いかもしれないですね(笑)。

金城:僕はずっと僕自身を信じて生活しているので、お金を追いかけて生活している間は心が疲れるし、心が疲れない仕事をしたいと思っています。大好きな仕事を見つければ、心が楽になるよって思っているから、この映画を観て共感してくれる人がいたら、また仲間が増えたって嬉しいです。

てぃだかんかん -海とサンゴと小さな奇跡-」ストーリー

幼いころから海の生物が大好きだった健司(岡村隆史)は、幼なじみの由莉(松雪泰子)と結婚するために故郷の沖縄に戻って来る。母(原田美枝子)の猛烈な 反対を押し切ってのゴールインだったが子宝にも恵まれ、自分で始めたレストラン事業もようやくうまくいき始めていた。そんな折り、突然健司は店をやめてサンゴを再生すると宣言する。

映画「てぃだかんかん -海とサンゴと小さな奇跡-」は4月24日より全国公開。

てぃだかんかん〜海とサンゴと小さな奇跡〜 - 作品情報