――監督さんから、颯太役についてのアドバイスを受けたことはありましたか?

加藤:ありましたね。今回はそれが多かったように感じますね。菜月を演じた戸田さんもそうだと思うんですけど。監督の中で1シーン、1シーンに細かいこだわりがあって、それが映像だけではなく、役に対する細かい思いもあるんですね。「私はこういう風に颯太のことを考えているけどどう思う?」っていうディスカッションも何度もあったし。逆に「加藤君の好きにやっていいよ」って言われる場所もあって。

――完成した作品を観て、一番気に入っているシーンはありますか?

加藤:大輝と菜月と颯太の3人で過ごしているシーンなんですけど、すごい微笑ましい。あそこのシーンはすごく気に入ってますね。暖かいというか。

――雰囲気がすごく柔らかいシーンですよね。

加藤:うん。本当に颯太が自分の運命と関係なく、明るく過ごしてるなって。一瞬そのことを忘れてしまうような暖かさはありますね。

――共演された戸田恵梨香さんにどんな印象を受けましたか?

加藤:“戸田恵梨香”っていう女優の凄さを目の当たりにした感じですね。彼女の女優としての評判を僕は前から聞いていたので。それがはじめてお会いして、一緒に芝居をして、生身で感じましたね。役に対しての姿勢と、ストイックな部分と。妥協を許さないというか、すごい方だなって思いましたね。

――現場の雰囲気も、緊張感につつまれていたのですか?

加藤:撮影時はそうですね。でも休憩中はやっぱり彼女はまだ若いし、明るいし、気さくな人で。年相応な女の子だなって印象はありましたね。

――北海道ロケということで、現場での思い出はありますか?

加藤:とにかく寒かった!っていう思い出があります。あとは雪景色がすごくキレイだったのと、空がとても澄んで星が近くに見えたこととか。

――今回この映画に出て、演技感の変化とか、自分の中で変わったことなどはありましたか?

加藤:演技に対する姿勢というのは、常に同じことを考えているので、すぐに何か変わることは無いんですけど、この作品で描かれているテーマって、誰にでも起こり得ることなんですね。自分と遠くない世界の話なので、すごく身近に感じたし。自分がこの状況になったらどうするんだろうって思ったし、ある意味命について考えさせられたきっかけでしたね。そして自分は大切な人の為に何ができるだろうってすごく考えました。