中国宇宙船に宇宙ごみ衝突か、地球帰還を延期 宇宙ステーションに半年滞在の3人

香港(CNN)中国の宇宙当局は5日、宇宙ステーションに滞在中の飛行士3人について、帰還に使う宇宙船に宇宙ごみが衝突した可能性への懸念から、6カ月間続く滞在を延長せざるを得なくなったと明らかにした。
3人の飛行士は5日に地球へ帰還する予定で、新たなチームに中国の宇宙ステーションの「鍵」も引き渡していた。しかし、中国国家航天局(CNSA)は5日、帰還船「神舟20号」に何らかの衝突があったことが疑われるため、帰還を延期したと発表した。
中国国家航天局は「衝突を巡る分析とリスク評価が進められている」と述べたものの、損傷の詳細や点検に要する期間については明らかにしなかった。
3人の飛行士を乗せた宇宙船は今年4月、内モンゴル自治区から打ち上げられていた。3人の帰還について別の日程は現時点で公表されていない。
中国は近年、宇宙開発の野心を急速に拡大させており、数日前には「神舟21号」の打ち上げ成功を祝ったばかり。
「神舟21号」はすでに、次の飛行士のチームを中国の宇宙ステーション「天宮」に無事輸送した。新メンバーの中には、地元メディアが「宇宙に到達した中国史上最年少の宇宙飛行士」として盛んに報じている武飛氏(32)も含まれている。
宇宙に取り残された飛行士の帰還の難しさについては、米国の宇宙機関もここ1年で痛感している。
米国のスニ・ウィリアムズ、ブッチ・ウィルモア両宇宙飛行士は当初、短期間の滞在の予定だったが、帰還に使うはずだったボーイングの宇宙船「スターライナー」が故障し、滞在期間は9カ月以上に及んだ。
昨年6月に地球を出発した2人は今年3月、スペースXの宇宙船「クルードラゴン」でようやく地球に帰還した。
