阪神・大山悠輔 (C)Kyodo News

写真拡大

 阪神の大山悠輔が13日、国内FA権を行使した。

 大山は球団公式ホームページを通じて「プロ野球選手として初めて他球団からの評価を聞く機会を得られましたので、FA権を行使させていただく事にしました。野球人生において、すごく大きな決断のタイミングだと思うので、慎重に時間をかけて考えさせていただきたいと思います」とコメントした。

 大山は長年阪神の主力打者として君臨し、2年目の18年から7年連続で二桁本塁打を放ち、19年から6年連続で60打点以上を挙げており実績がある。今季も130試合に出場して、打率.259、14本塁打、68打点。特に今季は得点圏打率がリーグ2位の.354と抜群の勝負強さを発揮した。“投高打低”のシーズンだった中で、大山の打力は魅力的。大山が守るファーストが手薄な球団を見ていきたい。

 セ・リーグは100試合以上出場したファーストは阪神を含め4球団あり、DeNAのオースティンは首位打者を獲得し、巨人の岡本和真、ヤクルトのオスナは長年主力として打線を引っ張っている。パ・リーグは100試合以上ファーストの守備に就いた選手はいないが、ソフトバンクの山川穂高は本塁打と打点の二冠王に輝き、日本ハムのマルティネス、ロッテのソト、楽天の鈴木大地もバットで結果を残している。

 中日はファーストの最多出場が中田翔と石川昂弥の52試合だったが人材はおり、オリックスも頓宮裕真と太田椋の58試合が最多出場だったが、昨季首位打者の頓宮が復活すればファーストの穴も埋まる。そして、広島は来季に向けて、ファーストやサードを守るメジャー通算21本塁打のエレフレス・モンテロを獲得した。

 そうなると、ファーストが手薄な球団は今季リーグワーストの91敗を喫した西武か。今季ファーストのチーム最多出場はシーズン途中にトレードで獲得した野村大樹の51試合。特に打線が課題で、チーム打率.212、60本塁打、350得点はリーグワーストの成績で、チームトップの本塁打が佐藤龍世の7本、打点が外崎修汰の41だった。

 阪神も原口文仁が12日にFA宣言しており、大山、原口がW流出となればファーストが一気に手薄になる可能性もある。なんとしても、残留させたいところだろう。

 また、パ・リーグは指名打者制を採用しており、一塁と指名打者の併用での起用も多く、大山を欲しがる球団も出てくるのではないだろうかーー。

 今年の締切日は11月13日。宣言した選手は14日にFA宣言した選手として公示され、翌15日から全球団と契約が交渉可能になる。大山の獲得に動く球団は何球団出てくるか注目だ。

【各球団の一塁最多出場選手】

※()は一塁で出場試合数。打撃成績はシーズントータルの成績

巨人:岡本和真(130試合)率.280 本27 点83

阪神:大山悠輔(130試合)率.259 本14 点68

DeNA:オースティン(100試合)率.316 本25 点69

広島:堂林翔太(57試合)率. 230本1 点17

ヤクルト:オスナ(141試合)率.267 本17 点72

中日:

石川昂弥(52試合)率.272 本4 点25

中田翔(52試合)率.217 本4 点21

ソフトバンク:山川穂高(98試合)率.247 本34 点99

日本ハム:マルティネス(90試合)率.234 本13 点57

ロッテ:ソト(90試合)率.269 本21 点88

楽天:鈴木大地(76試合)率.266 本4 点41

オリックス:

頓宮裕真(58試合)率.197 本7 点30

太田椋(58試合)率.288 本6 点40

西武:野村大樹(41試合)率.222 本5 点22