鹿児島ユナイテッドFC、一年でのJ3降格を余儀なくされた「3つの要因」

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2試合を残してJ2からJ3への降格が決まった鹿児島ユナイテッドFC。

その背景には、戦術的な課題、柔軟性の欠如、そしてクラブの目標と現実の乖離といった複数の要因が絡み合っていました。

これらの問題が改善されることなく、結果としてクラブは一年でJ3へと逆戻りする厳しい現実に直面しました。

解決できなかった戦術的課題

まず、鹿児島ユナイテッドFCが抱えていた戦術的課題について見てみましょう。

同クラブはサイドバック(SB)を高い位置に上げる攻撃的な戦術を採用していました。サイドバックを積極的に前に出すことで、中央で数的有利を作り、主導権を持った攻撃をしようとした意図は理解できます。

しかし、これが守備において大きな穴を生む結果となりました。カウンターを受けた際にサイドバックの不在が頻発し、そのまま失点に繋がる場面が多く見られました。

また、守備時にサイドバックがいたとしても、その守備力が十分でなかったことから、脆弱性が常に露呈していました。

シーズンを通してこの問題の改善は見られず、監督が交代しても根本的な修正がなされることはなく、同じ問題が繰り返されたのです。

戦術的柔軟性の欠如

次に、戦術的な柔軟性の欠如も大きな要因でした。鹿児島はJ2の中でも予算規模が下位に位置しており、戦力的にも限界がありました。

しかし、その状況下であっても、同じ戦術を採用することが多く、相手チームに容易に解析され、対策を講じられることが多くなりました。

特に上位クラブとの対戦では、鹿児島の戦術は通用せず、結果として苦戦を強いられる試合が続きました。

戦力が限られている中で、もう少し戦術に変化を加え、柔軟に対応することが求められていたのは明らかです。しかし、その対応がなされることはなく、シーズンの多くの試合で主導権を握ることができませんでした。

クラブの方針と現実の乖離

さらに、ピッチでやっているサッカーとクラブの方針との乖離も不振に拍車をかけました。

クラブとしての目標はあくまでJ2残留であったにもかかわらず、試合では攻撃的なサッカーを展開し、主導権を握るスタイルを追求していました。

もちろん、それ自体が悪いわけではありません。サッカーのスタイルは千差万別で、いいスタイルも悪いスタイルもありません。

しかしながら、結果が伴わない状況で、改善の兆し見られないままシーズンは進んでいきます。

恐らくクラブも監督交代で、そこを修正しようと試みたのだと思います。

実際、一時は監督交代によって状況が改善したかに見えましたが、夏の中断期間明けから急速にパフォーマンスが悪化。

守備の立て直しを図った浅野哲也監督の就任後は失点と得点の平均値は改善されました。

しかしながら6月末から約3ヶ月間、1つの引き分けを挟み10連敗と低迷。結果として当初の戦術に戻るしかありませんでした。

このように、クラブの方針と実際のプレーとの不一致が戦術の一貫性を欠かせ、混乱を生じさせました。

まとめ

鹿児島ユナイテッドFCの降格は、クラブの課題を象徴するものでした。戦術の選択、柔軟性の欠如、目標と現実の乖離といった問題が積み重なり、クラブは望まぬ結果に直面することになったのです。

来季に向けては、まず現場とクラブが一致団結して明確な目標に向かうことが求められます。それこそが、J2への早期復帰を目指すための第一歩となるでしょう。

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ライター:仙太郎

東京都でU12指導者歴12年。C級コーチライセンス、4級審判員保持。
指導者目線の独特なレポートをSNSやQolyで発信中。
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