【ロサンゼルス共同】米西部ロサンゼルスのカトリック大司教区は16日、幼少期に同区の聖職者らから性的虐待を受けたと訴える1353人に対し、和解金8億8千万ドル(約1300億円)を支払うことで基本合意。被害者の弁護士らが16日に発表した。同区トップのゴメス大司教は「心の底からおわびする」との声明を公表した。

 米メディアは、カトリック聖職者による子どもへの性的虐待の和解金額としては最高規模だと報じた。ゴメス氏によると、多くの事案は50年以上前に発生した。

 地元紙によると、大司教区は2014年までに、500人以上の被害者に対し約7億4千万ドルの和解金を支払うことで合意。カリフォルニア州が19年、未成年者への性的虐待に関する提訴の時効を一時撤廃する法改正を実施し、新たな訴訟が相次いだ。

 地元紙は、大司教区では1986年に神父が幼児への性的虐待を告白したが隠蔽され、さらなる被害が起きたと報じている。ゴメス氏は、近年は聖職者に対する厳格な経歴調査のほか、研修や被害者支援などの「改革」を実施してきたと強調した。