前週末11日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―
■ニチダイ <6467> 415円 (+80円、+23.9%) ストップ高
ニチダイ <6467> [東証S]がストップ高。10日の取引終了後、各種センサーを用いて金型損傷などの異常や状態監視を可能にする「鍛造DX」の実用化に向けて、トヨタ自動車 <7203> [東証P]と協力することで合意したと発表した。トヨタが持つものづくりノウハウと生産活動で得られるビッグデータを、開発中の「鍛造DX」と組み合わせることで新たな製造オペレーションの実用化が期待できるという。これを材料視した買いが膨らんだ。
■エアロエッジ <7409> 2,273円 (+400円、+21.4%) ストップ高
AeroEdge <7409> [東証G]がストップ高。10日の取引終了後、海外グローバル大手航空機関連メーカーと航空機関連部品の製造・販売に関する長期契約を締結したと発表したことが好感された。今回締結した契約は、関連する航空機部品の生産に必要な契約部品の一定割合を契約期間にわたって供給するもので、契約期間は26年から36年まで。同社は、仏エアバス製A320neo及びボーイング 製737MAX用の航空機エンジン「LEAP」に搭載されるチタンアルミブレードの量産加工・販売を主な事業としているが、今回の契約により、LEAPエンジンではない、他の航空機関連部品の量産化を実現することになるという。供給開始は26年1~6月の予定で、これに伴い本社工場(栃木県足利市)内に17億円を投じて生産設備を増設する。なお、同件による25年6月期業績への影響は軽微としているが、同件と24年6月に竣工した新工場で立ち上げを進めているLEAPエンジン以外の別の航空機エンジン部品の新規量産による効果として、27年6月期に3~5億円程度の営業利益の拡大を見込んでいる。
■フィルC <3267> 740円 (+100円、+15.6%) ストップ高
フィル・カンパニー <3267> [東証S]がストップ高。同社が10日の取引終了後に発表した24年11月期第3四半期累計(23年12月-24年8月)の売上高は前年同期比27.3%増の38億6500万円、最終損益は8700万円の黒字(前年同期は1億8400万円の赤字)となった。5月中間期の段階では最終赤字の状態だったが、第3四半期累計で黒字転換を果たしたとあって、好感されたようだ。6-8月期の売上高は前年同期比で2倍超となり、営業損益が黒字化した。前期の下期に受注した請負案件や、開発販売が収益に貢献したという。あわせて同社は、連結子会社のフィル事業承継・地域活性化プロジェクトにおける未回収債権の回収状況について公表。投融資先3社のうちの1社に関して貸付金の一部を回収したことに伴い、貸倒引当金戻入益2370万円と受取利息58万円を営業外収益として計上する。一方、別の1社においては経過利息を含めて貸倒引当金繰入額1708万円を営業外費用として計上した。
■コシダカHD <2157> 1,133円 (+150円、+15.3%) ストップ高
東証プライムの上昇率トップ。コシダカホールディングス <2157> [東証P]がストップ高。同社は10日の取引終了後、24年8月期の連結決算発表にあわせ、25年8月期の業績予想を開示した。今期の売上高予想は前期比12.3%増の710億5700万円、最終利益予想は同11.3%増の74億9900万円とした。2ケタの増益予想でかつ最高益を更新する見通しを示したほか、年間配当予想は同6円増配の24円としており、ポジティブ視されたようだ。カラオケ事業では高稼働が期待できる首都圏や、近畿・中京エリアに加え、出店余地の高いエリアへの出店を進め、既存店舗においてリロケーションによる大型化・効率化を進める方針。同事業の売上高は前期比12.2%増の687億4700万円、セグメント利益は同11.2%増の127億7800万円を計画する。24年8月期の売上高は前の期比15.8%増の632億6300万円、最終利益は同5.2%減の67億3500万円だった。
■ARM <8769> 594円 (+68円、+12.9%)
アドバンテッジリスクマネジメント <8769> [東証S]が3日ぶり急反騰。読売新聞オンラインがこの日、「厚生労働省は、従業員50人未満の小規模事業所に対し、働く人の『ストレスチェック』を義務づける方針を決めた」と報じた。義務化の対象を全事業所に拡大して対策を強化するという。この報道を受けてARMのほか、メンタルヘルステクノロジーズ <9218> [東証G]などストレスチェックサービスを手掛ける銘柄に思惑的な物色が向かった。
■ドーン <2303> 2,356円 (+257円、+12.2%)
ドーン <2303> [東証S]が4日ぶり急反騰。地理情報システムの開発及び防災分野を主軸とした クラウドサービス事業を展開しているが、足もとの業績は、ストック型収入のクラウドサービスの契約数積み上がりに加え、大型のシステムインテグレーション案件開発にかかわる売り上げなどが全体収益を押し上げている。10日取引終了後に発表した25年5月期第1四半期(24年6-8月)決算は、営業利益が前年同期比82%増の1億2000万円と急拡大しており、これを評価する買いを呼び込む格好となった。
■サムティHD <187A> 3,080円 (+285円、+10.2%)
東証プライムの上昇率2位。サムティホールディングス <187A> [東証P]が続急騰。理由は「公開買付に関する報道の真偽等の確認のため」。東洋経済オンラインは同日、「東証プライム上場の不動産会社『サムティホールディングス(HD)』を、シンガポール系の投資ファンド『ヒルハウス』がTOB(株式公開買い付け)によって買収する方針を固めたことが東洋経済の取材でわかった」と報じた。買収額は約1000億円で、TOB成立後にサムティHDは上場廃止となると伝えている。
■酉島 <6363> 2,817円 (+234円、+9.1%)
東証プライムの上昇率3位。酉島製作所 <6363> [東証P]が4日ぶり急反発。11日付の日本経済新聞朝刊で「産業用ポンプのビジネスが活況に沸いている」と報じられており、なかで同社について北アフリカからの受注が相次いでいると紹介されたことが好材料視されたようだ。記事によると、アルジェリアの海水淡水化プラント向けのほか、カーボベルデやモロッコからも受注のメドが立っているという。北アフリカ諸国では数年前から大規模な再エネプロジェクトが立ち上がり、電力を自前で確保できるようになった各国が慢性的な水不足のために海水淡水化に乗り出したことが商機につながったようだ。
■竹内製作所 <6432> 4,705円 (+325円、+7.4%)
東証プライムの上昇率4位。竹内製作所 <6432> [東証P]が続急伸。10日の取引終了後、25年2月期の連結業績予想について、営業利益を385億円から445億円(前期比26.1%増)へ、純利益を275億円から300億円(同14.7%増)へ上方修正したことが好感された。上期において、欧州だけではなく北米でも建設機械の需要が減速しており、販売台数が欧米ともに想定を下回ったことから、売上高は2240億円から2155億円(同1.4%増)へ下方修正した。ただ、海上運賃の減少や為替の円安影響などで、利益は計画を上回る見通しという。なお、第2四半期累計(3-8月)決算は、売上高1096億600万円(前年同期比4.2%増)、営業利益248億6700万円(同46.5%増)、純利益168億5400万円(同33.0%増)だった。同時に、上限を200万株(発行済み株数の4.19%)、または70億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視された。取得期間は10月11日から来年1月31日までで、株価水準や資本効率などを勘案し、株主への一層の利益還元を行うことが目的という。
■チヨダ <8185> 1,161円 (+78円、+7.2%)
東証プライムの上昇率6位。チヨダ <8185> [東証P]が3日続急伸。靴専門店を全国展開しており、靴を靴ベラなしで簡単に履ける「スパットシューズ」が消費者ニーズを捉え大ヒット、収益に大きく貢献している。10日取引終了後、25年2月期上期(24年3-8月)の業績予想の修正を発表、営業利益は従来見通しの10億円から16億1400万円(前年同期比74%増)予想に大幅増額しており、これを手掛かり材料に上値を見込んだ投資資金が流入した。同社の株価は2020年7月以来約4年3ヵ月ぶりの高値水準にあるが、時価換算で3%近い配当利回りにもかかわらず、PBRが0.7倍台と割安感が強く、ファンダメンタルズ面との比較で一段の上値余地が意識されている。
■SHIFT <3697> 15,650円 (+1,000円、+6.8%)
東証プライムの上昇率7位。SHIFT <3697> [東証P]が急反発。ソフトが正常に動作するかを確認するソフトウェアテストサービスを主力に手掛けるが、足もとの業績は会社側の想定を上回って好調に推移している。10日取引終了後に25年8月期の業績予想を発表、営業利益は前期比28%増の135億円を見込んでおり、過去最高利益を更新する見通し。これを評価する形で投資資金が流入した。
■ファストリ <9983> 54,490円 (+3,130円、+6.1%)
東証プライムの上昇率8位。ファーストリテイリング <9983> [東証P]が3日続急伸。10日の取引終了後に発表した25年8月期の連結業績予想で、売上高3兆4000億円(前期比9.5%増)、営業利益5300億円(同5.8%増)、純利益3850億円(同3.5%増)と前期に続き過去最高更新を見込み、年間配当予想を前期比50円増の450円としたことが好感された。引き続き海外ユニクロ事業を中心に出店を強化する計画で、グローバルでの事業拡大が継続する見通し。特に東南アジア・インド・豪州地区や北米、欧州で大幅な増収増益を見込んでおり、海外ユニクロ事業が業績を牽引する。想定為替レートは1ドル=144円90銭(前期150円90銭)を見込む。なお、24年8月期決算は、売上高3兆1038億円(前の期比12.2%増)、営業利益5009億400万円(同31.4%増)、純利益3719億9900万円(同25.6%増)だった。
■いちご <2337> 384円 (+22円、+6.1%)
東証プライムの上昇率9位。いちご <2337> [東証P]が4日ぶり急反発。同社は10日の取引終了後、取得総数1700万株(自己株式を除く発行済み株式総数の3.88%)、取得総額60億円を上限とする自社株買いの実施を発表した。株主還元姿勢を好感した買いが入ったようだ。取得期間は10月11日から2025年4月30日までとする。あわせて開示した25年2月期第2四半期累計(3-8月)の連結決算は、売上高が前年同期比37.0%増の362億9500万円、営業利益が同25.0%増の68億5500万円、最終利益が同36.9%減の53億6500万円だった。
■モノタロウ <3064> 2,500円 (+141.5円、+6.0%)
東証プライムの上昇率10位。MonotaRO <3064> [東証P]が3日ぶり急反発。同社が10日の取引終了後に発表した月次業績によると、9月度の売上高は前年同月比12.9%増の227億7600万円となった。増収基調を継続しほか、増収率は8月の9.7%を上回っており、好感されたようだ。新規の顧客獲得数は8万9900アカウントとなった。前年の9月に比べて、営業日数は1日少ない19日だった。なお、四半期末月の売り上げには海外からのロイヤルティー収入を含んでいる。
■ダイコー通産 <7673> 1,227円 (+66円、+5.7%)
ダイコー通産 <7673> [東証S]が続急伸。10日の取引終了後に発表した第1四半期(6-8月)単独決算が、売上高46億7800万円(前年同期比21.4%増)、営業利益2億3300万円(同72.8%増)、純利益1億6400万円(同89.3%増)と大幅増益となったことが好感された。CATV局向けのセンター設備や大型のデータセンター設備、医療福祉施設向けの屋内通信設備、消防通信設備など各種案件の受注の増加で売上高が伸長。また、仕入れ価格上昇分の販売価格への転嫁などの取り組みを進めたことも寄与した。なお、25年5月期通期業績予想は、売上高190億円(前期比10.3%増)、営業利益9億8300万円(同11.0%増)、純利益6億6000万円(同9.8%増)の従来見通しを据え置いている。
■フジクラ <5803> 5,456円 (+286円、+5.5%)
フジクラ <5803> [東証P]が急反発。電線メーカー大手でフレキシブルプリント基板では世界屈指のシェアを有するほか、データセンター向け光ファイバーや光コネクターでも高い商品競争力を誇る。生成AI市場の拡大が世界的に顕著となっており、AIサーバーとそれを設置するデータセンター建設需要が今後も一段と加速することが予想される状況にある。そうしたなか、同社が製造する光ファイバーや光コネクター関連の受注残が高水準に積み上がっている状況にあり、今後の収益上乗せ要因として意識されている。25年3月期業績予想は営業利益段階で前期比28%増の890億円と急伸し過去最高利益更新が見込まれているが、市場では更に大幅な増額余地があるという見方が強いようだ。
■ウイングアク <4432> 3,300円 (+130円、+4.1%)
ウイングアーク1st <4432> [東証P]が大幅反発。昨年12月以来、約10ヵ月ぶりに上場来高値を更新した。10日取引終了後に3-8月期連結決算を発表し、売上高は前年同期比10.2%増の148億7500万円、営業利益が同5.2%増の49億6400万円だった。大企業や官公庁を中心としたシステム投資が追い風となった。
■コジマ <7513> 1,021円 (+40円、+4.1%)
コジマ <7513> [東証P]が大幅反発。10日の取引終了後に発表した25年8月期の単独業績予想で、売上高2753億円(前期比2.0%増)、営業利益64億円(同0.6%増)、純利益42億円(同4.9%増)を見込み、年間配当予想を前期比2円増の18円としたことが好感された。引き続き家電販売力の向上に取り組み成約率の向上を図るほか、店舗やECにおける高付加価値商品の販売強化により売上高・利益の増加を図る。また、25年には創業70周年を迎えることから、記念セールなどの各種販促施策を展開する。同時に発表した24年8月期決算は、売上高2698億6800万円(前の期比0.7%増)、営業利益63億5900万円(同32.0%増)、純利益40億100万円(同39.5%増)だった。携帯電話やエアコンが好調に推移したことに加えて、巣篭もり需要の反動減の影響により上期に低調だったテレビが下期に入り好調となり、営業利益は従来予想の53億円を大きく上回って着地した。
■アドテスト <6857> 7,798円 (+260円、+3.5%)
アドバンテスト <6857> [東証P]が大幅反発。同社は米エヌビディア の画像処理半導体(GPU)向けに検査装置を納入しており、生成AI市場の拡大を背景に業績拡大が続くエヌビディアの関連有力株として、ここ機関投資家とみられる大口の買いなどが株価を押し上げていた。ただ、同社株以外の 半導体関連主力株は総じて戻り売り圧力が強く、つれてアドテストも足もとは短期急騰の反動がみられる。そうしたなか前日10の米国株市場では半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が3日ぶりに反落したが、エヌビディアの株価は堅調だったことで、アドテストには追い風となったようだ。
■原油先Wブル <2038> 1,885円 (+54円、+3.0%)
NEXT NOTES ドバイ原油先物 ダブル・ブル ETN <2038> [東証EN]が3日ぶり反発。また、やや売買代金は少ないもののWTI原油価格連動型上場投信 <1671> [東証E]も上値指向となった。両銘柄はドバイ原油やWTI原油に連動する仕組みで組成されたETN・ETFで、最近の中東リスクを背景とした原油市況上昇に連動して水準を切り上げている。前日10日のWTI原油先物価格は2ドル61セント高の1バレル=75ドル85セントに上昇、70ドル台での推移が続いており、依然として先高観が強いなか、同関連ETN・ETFにマーケットの視線が集まった。
■松屋 <8237> 878円 (+17円、+2.0%)
松屋 <8237> [東証P]が3日続伸。10日取引終了後に3-8月期連結決算を発表し、売上高は前年同期比23.6%増の241億1800万円、純利益は同63.3%増の17億6800万円と急拡大した。富裕層を中心とした堅調な消費動向に加え、免税売上高が引き続き好調に推移したことが追い風となった。
■パンパシHD <7532> 3,804円 (+66円、+1.8%)
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス <7532> [東証P]が反発。10日の取引終了後に発表した9月度の月別販売高(速報)で、国内リテール事業の既存店売上高は前年同月比4.6%増となり、28ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。前年より休日が1日多かったことに加えて、残暑が長引いたことで夏の季節商品や行楽用品が好調に推移した。なお、全店売上高は同6.4%増だった。
※11日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。
株探ニュース