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 ◇ナ・リーグ ドジャース−ロッキーズ(2024年9月29日 デンバー)

 ドジャースの大谷翔平投手(30)が29日(日本時間30日)、シーズン最終戦となる敵地でのロッキーズ戦に「1番・DH」で先発出場。4打数1安打1盗塁でチームの勝利に貢献。ドジャースは両リーグ最多98勝64敗でレギュラーシーズンを締めくくった。大谷は打率.310、54本塁打、130打点、59盗塁。首位打者こそならなかったが、日本選手初のトリプルスリーに加えて本塁打と打点の2冠をほぼ確実にしてドジャース1年目のレギュラーシーズンを終え、初のポストシーズンへ弾みをつけた。

 右腕ナックはポストシーズンも見据え、オープナーで先発した左腕バンダの後を受けて2回から第2先発として登板。一発を浴びて4回5安打1失点だったが「良い感じだった。変化球が、特にチェンジアップをうまく使えたので、それは大きなことだった。ポストシーズンに入るのが楽しみ。この1年で、私はいろいろな役割を担ってきた。ブルペンから始めて、この前もオープナーを務めた。柔軟性があって、この状況で私たちが勝ち上がる上で必要な役割を担えると思う」と手応えを口にした。

 また、大谷の今季の活躍については「明らかに彼のシーズンは私の人生で見た中で最もえぐいものだった。私が今まで見た中で最高の選手。毎日試合に出て、非常に速い打球を打つだけ。そして、明らかに来年彼が投げるという興奮がある。彼の今シーズンを見ることができるのはとても楽しい。あと、いつも彼は本当に面白い表情をする。彼はいつも見たことのないことをやっているので、本当にいつもやっている。予想はしていたが、それでも衝撃的。彼のホームランは壮大。見ていてとても楽しい」と振り返った。

 今カード初戦の大谷の第1打席の前に展開した、ロッキーズの先発左腕フリーランドとの場外戦にも言及した。試合前の国歌演奏を終えて試合開始直前に指揮官同士がメンバー表の交換を始めたが、ナックとフリーランドだけが整列していた両軍メンバーで唯一ベンチ前に残って大リーグ特有の我慢比べが開始。投手が投球練習を開始し、大谷が打席に入ろうと次打者席でバットを振っているにもかかわらず両者が依然としてベンチ前に残り、互いに視線を合わせて譲らず。最後は球審に声をかけられたナックが折れて、フリーランドがガッツポーズした。この場面についてナックは「国旗を持ったカラーガードがセンターフィールドにいて、ポール際までずっと歩いていたので、フィールドから出るのを待つつもりだった。それをやっているときに、私が横を見ると、彼(フリーランド)は私をじっと見つめていた。彼が私をじっと見つめている時、私は“よし、挑戦を受ける。これをやらなければならない”と思った。だから、“ノー”とは言えなかった。私たちが計画していたことではなかった。彼のことを全然知らないし、もともと友達などではない。だから、僕たちがした行動にみんな大喜びだった。私が勝てなかったことにチームメートたちは少し怒っていたが、ちょっと面白かった。メジャーではたまにこういうことがあり、みんな楽しんでいる」と笑った。