JR東日本が、新幹線に自動運転(ドライバレス運転)を導入します。

まず回送列車から

 JR東日本は2024年9月10日、世界で初めて新幹線に自動運転(ドライバレス運転)を導入すると発表しました。


新幹線のE956形試験電車「ALFA-X(アルファエックス)」(画像:写真AC)。

 今回は、2028年度に上越新幹線の長岡〜新潟新幹線車両センター間60.8kmで営業列車と回送列車の自動運転(GOA2)、2029年度に新潟〜新潟新幹線車両センター間5.1kmで回送列車のドライバレス運転(GOA4)の導入を目指し、地上設備や車両改造などの工事に着手します。

 2030年代中頃には、東京〜長岡間に自動運転(GOA2)を導入したのち、東京〜新潟間の営業列車のドライバレス運転(GOA3)、回送列車のドライバレス運転(GOA4)導入を目指し、検討を深化させます。

 将来は、北陸新幹線や東北新幹線でも自動運転を目指して検討を進める方針です。

 JR東日本は、自動運転のうち、運転士の業務を必要としない「ドライバレス運転」の研究・開発を進めています。

 ダイヤ通りに列車を自動運行する装置は、2019年度から新幹線のE956形試験電車「ALFA-X(アルファエックス)」で走行試験を実施しており、2028年度の自動運転(GOA2)導入を目指しています。

 走行中に異常を検知し、乗務員に代わって自動で緊急停止させる装置も、2029年度のドライバレス運転(GOA4)の導入に向けて開発が進められています。

 自動化レベル(GOA=Grade Of Automation)は、路面電車の目視運転「GOA0」や、踏切のある一般的な鉄道路線の非自動運転「GOA1」から、最高レベルの「GOA4」まで分類できます。

 最初のステップとなる半自動運転「GOA2」は、一部の地下鉄などでワンマン運転の形で導入済み。添乗員付き自動運転「GOA3」は、一部のモノレールで実現しており、運転士はおらず乗務員だけが列車に乗りトラブル時の避難誘導などを担当します。自動運転「GOA4」は一部の新交通システムで導入している無人運転が該当します。

 JR東日本は、自動運転を導入することで安全性や輸送安定性の向上、効率的な運転による省エネルギー効果などが期待できると説明。また、ドライバレス運転の導入により、需要に応じた柔軟な列車運行ができるほか、乗務員が様々な業務に従事できるようになるとしています。