野田聖子氏

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美女と密会

 投開票日が9月27日(同12日告示)に決まった自民党総裁選。“女性候補”たちによる水面下での暗闘が秘かに注目を集めているという。すでに「推薦人20人」確保のめどがついている高市早苗・経済安全保障相(63)は、シンクタンク「紀尾井町戦略研究所」によるオンライン調査「次期首相にふさわしい自民国会議員」で2位にランクインするなど、国民からの期待も高い。一方、総裁選に出続ける理由を「女性宰相誕生へつながる道を閉ざさないため」と周囲に“大義”を語ってきた野田聖子議員(63)には、国民から「NO」を突き付けられかねない“懸念”があって……。

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(以下、週刊新潮 2023年1月26日号をもとに加筆・修正しました。日付や年齢、肩書などは当時のままです。)

【証拠写真を見る】不倫相手とホテルから出てきた野田聖子の夫・文信氏

 週刊新潮と週刊文春の報道に端を発した、野田聖子衆院議員(62)の夫・文信氏(55)の「元暴力団員疑惑」。昨年8月、最高裁は文信氏が元暴力団員であった事実を認定したが、判決確定後も聖子氏はあくまで「夫を信じている」と発言。週刊新潮は、そこまで信用してくれている妻を裏切り、文信氏が女性と「ホテル不倫」に及ぶ様子を捉えた。直撃に文信氏が語った内容とは――。

野田聖子氏

 寒の入りを過ぎたとは思えぬ暖かさに恵まれた今月13日夜のことである。

 東京・靖国神社にほど近いレストランに、中年男性と女性の姿があった。グラスを傾け、談笑する二人。食事の途中、おもむろに男性が立ち上がると、マスクもせずに移動し、店の外へと出た。加熱式タバコを取り出し、路上喫煙を始めた男性は空を見上げる。路地裏から垣間見える澄み切った夜空に彼は何を思ったのか。まさか、来る「裁判」への決意を固めたわけではあるまい。なにしろ、目の前の女性は「新垣結衣」似の美女だ。彼女との夜をどう過ごすか、思いを巡らし、胸が高鳴るばかりだったはずだ。

 一見、どこにでもある男女の光景だが、男性の素性を知ればその“見え方”は一変する。ガラス張り、かつ路面店のレストランで、顔を隠そうともしないその男性は、女性初の総理大臣を狙う野田聖子衆院議員の夫・文信氏なのである。

最高裁が「元暴力団」と認定

 前日、野田夫妻は霞が関にある東京地方裁判所にいた。裁判所内にある司法記者クラブで記者会見に臨んでいたのだ。文信氏は、本誌(「週刊新潮」)と週刊文春が元暴力団員だと報じた人物である。

 実は会見はその報道に端を発したものだった。

 社会部デスクが解説する。

「文信氏が週刊文春の記事を巡り、国に対し1100万円の損害賠償などを求める訴訟を起こしたのです。週刊文春は彼が元暴力団員と報じた根拠として、警察庁幹部から得た情報を示していました。それについて、文信氏サイドは“虚偽の情報を警察庁から週刊文春に流され、名誉を傷つけられた”と主張しているのです」

 これには少し解説が必要であろう。

 本誌と週刊文春が文信氏に指定暴力団・会津小鉄会の昌山組に所属していた過去があったと報じたのは2018年夏のことだ。

「週刊文春はその前年にも同様の内容を報じていました。報道後、文信氏は新潮と文春を提訴。どちらも高裁判決を不服として文信氏側は上告しましたが棄却され、暴力団員であった過去は最高裁により認められたのです」(同)

一貫して「元暴力団員ではない」「夫を信じている」と発言

 本誌の場合、その決定的証拠となったのは元昌山組組長の証言だった。文信氏を取材する過程で元組長への接触に成功した本誌は、裁判所への陳述書提出と証人として出廷してもらうことに同意を得た。

 実際に元組長が証言台に立ったのは21年2月のこと。法廷で元組長は文信氏をにらみつけ、

「久しぶりやな。懐かしいのぉ」

 と声をかけるも、文信氏はバツが悪いのか、終始無言。尋問になって、

「(元組長に)会ったことはありません」

 とシラを切ったのだった。

 他方、週刊文春は警察庁幹部より入手したという内部資料から文信氏が元暴力団員だとした。

 聖子氏は両誌の報道後、一貫して「元暴力団員ではない」「夫を信じている」と発言している。公式ブログやSNS上でも持論を展開しており、この元組長についても、こう言及した。

〈夫が暴力団に所属していたと証言をした人物(元暴力団組長※これが真実性に関する唯一の証人)については、昨年、京都府警が偽証罪の疑いがあるとして捜査を開始し、本年5月に至るまで熱心に捜査を続けてくださいましたが、残念なことに、当該偽証をした人物が死亡し、捜査は打ち切りとなってしまいました〉(22年8月10日付ツイッター)

苦しい弁解

 無論、元組長は偽証などしておらず、裁判でも事実認定されたことは前述の通り。敗訴したことへの苦しい弁解としか言いようがあるまい。そもそも、京都府警が捜査したのは野田氏側の訴えを受けたものであって、お偉い政治家から相談された府警もさぞや困ったことだろう。

 12日の会見の席で、聖子氏はこう語っている。

「今日は妻という立場で家族として、(中略)原告の夫を支えてきた一人として陪席させていただいています」「夫がそう(元暴力団員)でないと最初から今まで信じて取り組んでいます。息子のため、息子の名誉のために同席させていただいた」

 かたや文信氏は、

「自分がそういう組織に属していなかったので、自分の名誉を挽回させるためにという思いです」

 と決意を語った。ちなみに文信氏の代理人は“無罪請負人”弘中惇一郎弁護士である。

路地でいちゃついた後、ホテルへ…

 さて、冒頭の場面に戻ろう。

 妻に支えられ、宿敵の週刊誌に協力したとされる警察庁=国家を提訴した翌晩、文信氏は妻ではない、美貌の女性と食事をするため、九段下の洋食レストランへと向かった。

 黒のパーカーに、モンクレールのダウンジャケット、さらにニューバランスのスニーカーというラフな格好からして、女性とは肩肘張らない関係らしいことがうかがえる。

 レストランはディナーコースで1万5千円はする「高級店」。途中、文信氏が加熱式タバコを路上で吸う“違反行為”をしたのは、食後の展開を一服しながら思案していたからなのか。ちなみに、千代田区では路上喫煙は生活環境条例に触れ、2千円の過料となる。

 二人が店を出たのは21時ごろ。タクシーが見つからず、しばしの間、周辺をさまよった後、ようやく車を拾うと、二人が向かったのは文信氏の自宅とは違う方向、週末で人がごった返す六本木ヒルズ付近だった。六本木通り沿いでタクシーを降りると、二人は人気(ひとけ)の少ない路地の奥へ。腕を組み、カップルよろしくいちゃつきながら、5分ほど歩いた後、瀟洒な装いのホテルに吸い込まれていった。

 このホテルをHPで確認すると、部屋にはジェットバスや浴室テレビなどが完備。中には、露天風呂付きの部屋もあるという。休憩の場合、2時間制で6600円から1万5千円、宿泊の場合は1万円強から3万円程度だ。

 そして、約90分後――。

 ダウンジャケットを着こみながら、ホテルから出てきた二人は再び通りに出て、タクシーを拾い、男だけが乗り込んだ。名残惜しそうに見送る女性。そして、深夜23時20分ごろ、文信氏は都内にある妻と息子が待つマンションへと帰宅し、女性は都心から車で30分ほどの郊外にある自宅へと戻っていった。

ドスの効いた声で「言う必要ないですよね」

 この女性は、奇しくも二人が入ったホテルと同じ六本木のラウンジに勤務するホステス。文信氏は“芸能人と交流がある”とかねて吹聴するような人物で、交友関係も広い。その中で知り合ったのか、時々食事に行く関係だったようだ。

 当人はどう語るか。まずは16日、文信氏の携帯電話にかけると、後に本人から記者に折り返しがあった。

――13日に女性とホテルへ行かれましたね。

「はあ、なんですか、それ。行ってないですけど……」

――その後、自宅に帰られるところも確認しています。

「それ僕じゃないと思うんですけど。自宅っていっても、僕しか住んでないわけじゃないですからね。で、どうしろってことなんですか。知らないです、その女性も」

――では、その夜は何をしていたのですか。

「そこまで言わないといけないですか。言う必要ないですよね」

 さらにもう一度、

「言う必要ないですよね」

 ドスの利いた声で語気を強め、元暴力団員であることを指摘されたときと同じく、平然と「うそ」をつくのだった。

「仕事に全身全霊ささげられるのは、旦那のおかげ」

 翌朝、お相手の女性に自宅付近で声をかけると、困惑しながら、

「何のことかよくわかりません……」

 そう言うばかり。

 聖子氏と文信氏が出会ったのは、07年1月のことだ。当時、文信氏がオーナーを務めていた大阪の焼き肉店に、知人の紹介を受けた聖子氏が食事に訪れたことがきっかけだった。文信氏は若い頃に板前として働いた経験があり、料理は一級品。聖子氏は18年、いまもお弁当を作ってくれると、メディアの取材にこう答えている。

「3年前の総裁選挙のとき、(中略)夫が毎食、みんなにごはんを作ってくれていた。息子のことを含めて、全部面倒見てもらっているから、私が仕事に全身全霊ささげられるのは、旦那のおかげだよね」

 夫は妻を献身的に支え、妻は夫に何があろうと「信じている」という関係。その美しき夫婦愛の結晶が今回の国家賠償請求訴訟の提起だった。

 政権与党を担う有名議員が国家まで敵に回したというのに……。妻の聖子氏にかような夫の行動について尋ねようと、本人の携帯に電話し、事務所に質問書を送ったものの、回答を得ることはできなかった。

 料理上手な元暴力団員にして、不倫相手との密会に勤しむ将来の“ファースト・ジェントルマン”をどこまでも庇(かば)う。が、彼を擁護すればするほど、「女性初の総理」の座が遠のくことを彼女は理解しているのだろうか。

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 SNS上では「夫が元暴力団員である人物が総理になる資格があるのか」などの声も上がっている野田聖子議員。前回に引き続き推薦人集めに苦労しているというが、果たして悲願はかなうのか――。関連記事【推薦人確保の「高市早苗」に“撤退”危機の「野田聖子」「上川陽子」 明暗分かれるオンナたちの「総裁選」舞台裏】では、「女性初の総理」を目指す候補者たちの動向を詳報している。

デイリー新潮編集部