AKB卒業から10年、大島優子は低迷していたが…今期で「役者評」が急上昇中のワケ

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AKB48卒業からちょうど10年経った現在、大島優子さんに再ブレイクの兆しが出てきています。

現在、日本テレビ系の土曜21時枠で放送中の連続ドラマ『GO HOME〜警視庁身元不明人相談室〜』にて、主演の小芝風花さんに次ぐ2番手キャストとして大島さんが出演中。

これまで、2017年には吉高由里子さん主演のドラマ『東京タラレバ娘』(日本テレビ系)でメインキャストを演じ、スマッシュヒットしましたが、少しずつ下降線を描く時期に突入してしまいました。

【前編を読む】『元AKB大島優子は「数字を持っていない」から一転…再ブレイクの兆しが出てきていた』

『アンチヒーロー』で再評価

※ドラマ『アンチヒーロー』終盤のネタバレがありますのでご注意ください

そんな大島さんへのドラマオファーで風向きが変わったのは今年から。

2021年7月に俳優・林遣都さんと結婚し、2023年1月には第1子を出産。しばらく俳優活動を休止しており、連ドラ出演を再開したのが今年4月期のヒット作、長谷川博己さん主演の日曜劇場『アンチヒーロー』(TBS系)でした。

『アンチヒーロー』での大島さんの役どころは、主人公の弁護士事務所に所属するパラリーガル。率直に言ってドラマ序盤から中盤までは、毒にも薬にもならない無難な仲間キャラといった立ち回りをしていました。番手的にも6、7番手だったため、『七人の秘書』や『ネメシス』のようなポジションなのだろうと理解していたのです。

しかし、ここからはネタバレになりますが、最終話1話前と最終話で大島さん演じるパラリーガルにスポットライトが当たることに。

簡単に説明すると、最終話1話前に主人公を貶めるような決定的な証拠品を敵対勢力に提供するという、まさかの裏切り。その品が決め手となり、なんと主人公が逮捕されてしまうという驚愕展開だったのです。

逮捕された主人公に対してラスボスが皮肉たっぷりに「かわいそうだねぇ」と語ると、大島さん演じるキャラが「そうですか、当然の報いだと思いますけど」と無表情で言い放つさまは、それまでの笑顔キャラとは正反対の冷徹さを感じさせ、視聴者を戦慄させたのでした。

それから最終話が放送されるまで、大島さん演じるキャラへの考察は過熱の一途。ただの脇役と思われていたパラリーガルが、一気に注目の的。

さて、放送された最終話。

実はラスボスを法廷に引きずり出すために、主人公の指示で敵の懐に潜り込んでいたという事実が明らかに。要するに、裏切っていたどころか、かなりのグッジョブをしていたわけです。

まんまと騙された視聴者も多く、あまり目立たない地味な役柄だったこともあり、敵に寝返ったと思わせた大島さんのギャップの演技が称賛されたのでした。

大島優子が連ドラ主演に返り咲く可能性

大島さんが2番手キャストのバディ役で出演中の『GO HOME』は、警視庁に実在する部署「身元不明相談室」をモデルに、身元不明のご遺体の身元特定や死因解明などをし、家族の元に帰してあげるという警察エンターテインメント。

オーソドックスな警察ものは犯人逮捕をするまでを描くものですが、本作はそういった王道路線とは一線を画すアプローチが特徴となっており、魅力的です。

小芝風花さん演じる三田桜は、「警視庁身元不明人相談室」の捜査官。コミュ力が高い明るいキャラで、亡くなった身元不明者を家族や恋人の元に帰すためなら、上司の指示を無視してでも突っ走る情熱家タイプです。

桜とバディを組むのが、大島さんが演じる月本真。桜と同期入庁ながら10歳年上の「警視庁身元不明人相談室」捜査官。天真爛漫な主人公に対して、正反対の冷静沈着でクールなタイプのため、顔を合わせれば言い合いばかりしているものの、桜と同じく身元不明者のために尽力していきます。

そんな真、悲しい過去を背負っていることが第1話から明らかに。

彼女にとって大切な男性が行方不明になっているようで、彼の帰りを待ち続けているというバックボーンがあるのです。

真が第1話で語った「大丈夫よ、死んだら何も感じないでしょ。痛みも悲しみもない。だってもう、死んでるんだから。苦しいのは残された人のほう」という言葉は、彼女自身の心情を表しているのかもしれず、大島さんの影のあるセンシティブな演技がハマっています。

――大島さんがGP帯連ドラの初主演を飾った『ヤメゴク〜ヤクザやめて頂きます〜』は、足を洗いたいと考えている極道者を、ちゃんと堅気に戻すことを目的とした警視庁内の「暴力団離脱者電話相談室」を舞台にした異色の警察もの。

『GO HOME』と『ヤメゴク』、中身のストーリーはまるっきり違うものの、独特なアプローチをした警察ドラマであり、主人公の所属がどちらも「相談室」となっているなど、共通点も少なくありません。

コケてしまった初主演作の雪辱を果たすべく、実質ダブル主演に近い『GO HOME』をヒットに導けば、大島さんの役者としての評価がさらに上昇するはず。

となれば、大島さんが約10年ぶりにGP帯の連ドラ主演に返り咲くなんて近未来も、絵空事ではなくなります。『GO HOME』の成否を見守っていきましょう。

元AKB大島優子は「数字を持っていない」から一転…再ブレイクの兆しが出てきていた