【音現場から・ミキサー裏話】電話のオンエアは
文化放送メールマガジン(毎週金曜日配信)にて連載中のコラム「音現場から・ミキサー裏話」。番組の工場=スタジオ、その周辺にまつわるさまざまな話題を技術部員がご紹介。番組やイベントの裏話も盛りだくさんです!
●8月16日(金)配信
ラジオでは電話出演というカタチがあります。リスナーさんやコメンテーター、ゲストなど様々。コロナ以降は会議アプリ等を使用した出演もかなり増えましたが、電話出演も引き続き頻繁に行われています。
スタジオにはテレフォンピックアップ(テレピック)という機器が装備され、電話の音声をミキサー卓に接続し放送にのせます。電話は自分の声(スタジオの音)が電話機や回線を通して戻ってきてしまうので、テレピックでそれが無くなるように調整します。
調整といっても瞬時に自動的に機器が行ってくれます。文化放送には新旧2種類のテレピックがあり、新しいほうが音質良いので順次更新中です。
電話オンエアの難しいところは音質音量がバラバラで、繋がるまで分からないぶっつけ本番的なところです。ミキサーは電話のフェーダーを上げたら瞬時に判断し適正な音量に調整。さらにイコライザーを使用し音質をなるべく早く聴きやすいように整えます。それでも聴きづらいこともあるので、コンプレッサーという音量を圧縮する装置を使用してさらに調整します。
出演者の電話機は多種多様。有線電話なのかコードレスなのか。スマホの場合は本体マイクなのか外部マイクなのか、ブルートゥース接続なのか。
新たなデバイスは次々に登場しますが、電話の音質は向上していません。ミキサーはテクニックのさらなる向上が必要となってます。