日本銀行はどのように金利の上げ下げを決めていくのか。7月16日の「くにまる食堂(文化放送)」では、関西学院大学教授の村尾信尚にインフレ、デフレと金利の関係をわかりやすく解説してもらった。 

邦丸「インフレ、あるいは逆のデフレ、それと金利、これはどういう関係があるんですか?」 

村尾「まず金利、これを上げたり下げたりするのは国でいえば中央銀行、日本でいえば日本銀行、アメリカでいえばFRB。中央銀行が金利を上げたり下げたりする。どうしてそういうことをやるのか、一つは景気が良くなっているのか、悪くなっているのか、その調整をするために金利の上げ下げをしているんですね。景気が良くなっているということは『家を買いたい』『車を買いたい』『工場を建てたい』というように需要が増えていきますから、どんどん値段が上がっていきやすい。その時に金利が果たす役割というのは、金利を上げていくと『住宅ローンこんなに高いんだったら、ちょっと買えないよね』『これだけ金利が高いと、やっぱり車を買うのをやめようと思う』、このように需要を抑えていく役割があるんです。要するにものの値段が上がっていく時、中央銀行は金利を上げて需要を抑えようとするんです。現在、アメリカでは物価の上昇率が低くなってきました。今までのペースで金利を上げなくていいよね、これからは今まで上げてきた金利を下げていこうという動きがある。日本はどうなのか、ずっとデフレ状態で景気が悪くてものの値段が上がらない時代がありました。こういう時に日銀が今までずっとやってきたのは金利を目一杯下げて、金利負担を少なくして『家を買おう』『車を買おう』『工場を建てよう』というようにしてきた。車でいうと景気を良くするためにアクセルを踏んだり、ブレーキをかけたりするようなもの。中央銀行は景気のいい時は金利を上げて抑制しようとする。景気の悪い時は目一杯金利を下げて景気を加速しようと調整しているんですね」