暑い夏にうれしい! 新感覚「凍らせスイーツ」をご紹介します(写真:genzoh/PIXTA)

凍らせるだけで、おなじみの食品が夏にぴったりの新感覚ひんやりスイーツに変身! 

「冷凍食品専門家」「冷凍生活アドバイザー」として活動し、『いますぐ食べたい!冷凍食品の本』や『冷凍王子の冷凍大全』などの著書のある“冷凍王子”こと西川剛史さんが、おすすめの“凍らせスイーツ”を紹介します。

いつものおやつ、凍らせてみては?

暑い夏は冷たいものが食べたくなりますよね。そんなとき、市販のアイスやかき氷もいいのですが、一味違ったスイーツとしてご紹介したいのが、「凍らせスイーツ」です。

そのまま食べられるものを“あえて凍らせる”ことで、おなじみの食材が意外な食感やおいしさを生み出すスイーツとなります。

糖分が多いスイーツは、冷凍しても氷のようにカチカチにはなりません。凍ったときの固さは糖分の量によって違い、多いと凍りづらく柔らかめに、少ないと固くなりやすいです。また、空気は凍らないので、空気が多く含まれたふわふわの食材は、固くなりにくい(溶けやすい)特徴があります。

冷凍王子オススメの、この夏に食べたい「凍らせスイーツ」を写真で紹介(5枚)。

それでは、筆者のおすすめ10選を紹介しましょう!

まずは和菓子から。

あんこがたっぷり入った和菓子は、凍らせることで新感覚の和風スイーツに変身します。冷凍するときは、乾燥を防ぐため1つずつラップで包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫に入れましょう(個包装されているものは、そのまま冷凍用保存袋でOKです)。

■どら焼き

外側の生地は空気を含んでいるので、冷凍してもふわっとした柔らかさが残ります。あんこは“あずきアイス”のような食感に。

あんの固さは商品の糖分の量によって変わり、糖分が少ない甘さ控えめのものだと固めに凍ることがあります。その場合は半解凍してから食べるといいですよ。

■大福

まさにあずきアイスのような味わい! 冷凍庫から取り出した直後はちょっと固めなので、半解凍にして食べるのがおすすめです。

つぶあんとこしあんで食感が変わりますし、あんこの糖分の量でも固さや味わいが変化しますので、好みの食感になるものをぜひ探してみてください。クリーム大福を凍らせて食べても、絶品です。


ちょっとした高級感を楽しめる「菓子パン」

続いて、菓子パン編です。

スーパーやコンビニで手軽に買える菓子パンも、凍らせると意外なおいしさに。冷凍法は和菓子と同様、1つずつラップで包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。ちなみに、こちらは袋から出してラップをし、冷凍用保存袋に入れたほうがいいでしょう。

■クリームパン

中のクリームがカスタードアイスのようになります。パンの部分は空気を多く含むので、しっとりと柔らかいまま。まるでシューアイスのような味わいです。


菓子パンは袋から出し、乾燥防止のため1つずつラップに包んで冷凍用保存袋へ。『冷凍王子の冷凍大全』(サンマーク出版)より

■チーズ蒸しパン

冷凍すると常温のふわふわ食感とは異なり、ずっしりとした弾力が生まれて、高級なチーズケーキのようになります。リッチな気分を味わいたいときは、ぜひ!

王道の「ヨーグルト」はアイスバーに

3つめはカップに入ったスイーツをご紹介。いつもはそのまま食べているカップ入りのヨーグルトやプリンも、凍らせると新鮮な楽しみ方ができます。冷凍法は、カップのまま冷凍庫に入れるだけなのでカンタンです。

■ヨーグルト

フローズンヨーグルトは酸味があるので、アイスと比べてさっぱりとした味わいですし、糖分も控え目でヘルシーです。

写真のように加糖のカップヨーグルトの中央にアイス棒を挿して冷凍すれば、ヨーグルトアイスバーがカンタンにできます(※外部配信先では写真を閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)。


持ち手を挿しても、そのまま冷凍してスプーンで食べてもOK。『冷凍王子の冷凍大全』(サンマーク出版)より

1つ注意したい点は、無糖のプレーンヨーグルトはそのまま冷凍しないこと。糖分がほとんどないので分離してしまいます。

凍らせたいときは、砂糖や缶詰のシロップなどの糖分を適量混ぜてからにしましょう。小分けにして保存容器に入れたり、冷凍用保存袋に入れたりして冷凍します。製氷皿に入れて凍らせると、一口アイスができます。

■プリン

シャリシャリとした食感と、とろけるような味わいの両方を楽しむことができます。おすすめは半解凍で、解凍具合によってその変化も楽しめます。ずっしりと重い蒸しプリン系は、高級な冷凍ケーキのような味わいになります。

■キットカット

個包装されている市販のチョコレートやクッキーも、凍らせることでまた違った味わいになります。冷凍は個包装のまま冷凍庫に入れるだけです。

余談ですが、筆者はご当地のおみやげも、よく凍らせて食べています。北海道の「マルセイバターサンド」や「白い恋人」、佐賀の「丸ぼうろ」などがイチ推しです。

チョコレートの部分のパリパリ感が増して食べ応えがアップし、中のウエハースは固まらずサクサクのままです。筆者はこの食べ方が大好きで、もう凍らせないと食べられなくなっています!

ちなみに、「カントリーマアム」や「ポッキー」も、凍らせスイーツ向きです。

凍らせてもおいしい意外な野菜や果物

凍らせスイーツの定番といえば、フルーツです。

市販の冷凍ミカンやパイン、マンゴー、ブドウなどもありますし、ご自身で凍らせてもおいしいです(冷凍する際は、一口大に切って冷凍用保存袋に入れてから冷凍庫へ入れてくださいね)。

変わり種として、こんな野菜や果物の凍らせスイーツはいかがでしょう? 

■アボカド

意外なおいしさに、筆者もハマってしまったのが、アボカドです。

丸のまま皮ごとラップで包んだら、保存袋に入れて、空気を抜いて冷凍庫に。食べるときは包丁が入る程度に半解凍して半分にカット、種を抜いたら、蜂蜜をかけて食べます(甘くしたほうが断然おいしいです!)。

アボカドは油分が多いので、冷凍するとアイスクリームのような、なめらかな食感になります。

冷凍のポイントは、食べ頃のおいしく熟したものを冷凍すること。青臭いアボカドは冷凍してもおいしくないです。傷みやすい食材なので、食べ頃キープも叶います。


アボカドのねっとりなめらかな食感が生きたヘルシーアイス!『冷凍王子の冷凍大全』(サンマーク出版)より

■ミニトマト

ヘタをとって、冷凍用保存袋に入れて空気を抜いて冷凍します。使うときは凍ったミニトマトに水をかけると、するりと皮がむけます。そこに蜂蜜をかければ、冷たいヘルシースイーツのできあがり!

お好みのドレッシングをかければ、おしゃれなフローズンマリネにもなり、冷菜に早変わりです。

■バナナ

アボカド同様、腐らせがちなバナナも冷凍することで食べ頃をキープできます。

丸ごと冷凍する場合は皮をむいてラップで包み、冷凍用保存袋に入れて空気を抜いて冷凍庫へ。割り箸などを挿して冷凍すれば、アイスバーのように食べられます。

このほか、3センチほどの食べやすい大きさにカットし、ラップで包んで小分けに冷凍しておくのもおすすめ。少量食べたいときや、トッピング、スムージーの材料としても重宝します。


バナナは用途に合わせて丸ごとや小分けにして冷凍すると便利です。『冷凍王子の冷凍大全』(サンマーク出版)より

焼き芋やミスタードーナツも○

今回、紹介したもののほかには、紙パック入りのジュースを凍らせればシャーベットになりますし、焼き芋やミスタードーナツのドーナツの冷凍もおすすめです。

ドーナツはクリーム系とチョコ系は凍らせるとおいしく、とくに「エンゼルフレンチ」「エンゼルクリーム」「ダブルチョコレート」は絶品。逆に「ポン・デ・リング」などはもちもち感が損なわれるので、あまり冷凍向きではありません。

凍らせスイーツの作り方は、食材を凍らせるだけととても簡単ですし、食べ物によって凍り方や歯応えが変わってくるので、バリエーション豊かに楽しめます。夏休み中のお子さんといろいろ試して、お好みの凍らせスイーツを探してみるのも楽しいですよ。

(構成/田中絢子)

(西川 剛史 : 冷凍生活アドバイザー)