成績がアップする超効果的な復習法とは(写真:よっし / PIXTA)

受験勉強や資格試験、勉強しているのになかなか成果に結びつかないことはありませんか。頑張っているのに結果が出ないのはなぜなのでしょうか。『自分にあった方法が見つかる! 勉強法図鑑』を上梓した、カルペ・ディエムの永田耕作さんが努力が実を結ぶ勉強法をお話しします。

成績が伸びる人、伸びない人の違い

成績が伸びる人と、伸びない人の違いはどこにあるのか。そんな疑問を、誰しも一度は考えたことがあるでしょう。

僕は全国各地の学校で講義やワークショップを行っているのですが、そこで出会う中高生からも、「毎日コツコツ勉強しているのに、なかなか成績が伸びない」「一度学習して覚えたつもりになっているものも、時間が経つと忘れてしまう」といった話をよく聞きます。これは何も勉強に限ったことではなく、仕事の場においても同じことが言えるでしょう。

ではどうすればいいのか。その答えはシンプルで、「アウトプットを工夫する」ことです。

勉強でもビジネスの場でも「インプット」と「アウトプット」に関しては、どのようにバランスを取るかなど、さまざまな議論があります。

「インプット」とは、書籍や講義などから知識や情報を得る過程のことを指します。つまり、言われたことを理解したり、本で読んだことを自分自身に落とし込んだりして、自分の知識量を増やすことを意味しています。

それに対してアウトプットは、得た知識や情報を使って問題を解いたり、他人に説明したりする過程です。自分が持っている知識を活用する力が重要となります。

このように説明されると、勉強や仕事では「インプット」のほうが大きな割合を占めるのではないかと思う人も多いでしょう。もちろん、高い質のアウトプットを行うためにはその土台となるインプットは不可欠です。

しかし、アメリカのコロンビア大学の研究では、物事を理解する、記憶する際のインプットとアウトプットの比率は「3:7」が望ましい、という結果が示されています。つまり、この研究結果に基づくと、アウトプットのほうがインプットよりも2倍以上の時間を費やす必要がある、と言えるのです。

アウトプットを重視した勉強法は?

このような研究結果から、昨今の日本の教育では「アウトプット」を重視する動きが広まっています。

近年教育業界で盛んに用いられている「アクティブ・ラーニング」という言葉も、「先生が一方的に講義をするのではなく、生徒が能動的に授業に参加する」ことを指すため、この「アウトプット」を重要視している教育法であることがわかるでしょう。

一方で、この「アウトプット」は、「インプット」に比べると、なかなか自分でも応用できる勉強法を生み出しにくい、という課題点があります。

例えば「インプット」であれば

・授業を受ける
・単語帳を進める
・参考書(解説本)を読む
・問題集の問題を解く

というようにさまざまな方法論がありますが、アウトプットはその名の通り、何かを「読んだり」「受けたり」する受け身の姿勢では、成立しないものなのです。

では、どうすればよいのでしょうか。僕が高校生の頃に実際にやっていたアウトプットの方法論を紹介します。

それはズバリ、「人に教える勉強法」です。

「人に教える勉強法」のポイントは、授業や参考書などで学習した内容を、自分自身で噛み砕いて周りの人に説明するということです。この「自分自身で噛み砕いて」というところが非常に重要になります。


学校でのグループワークや、会社でのプレゼン発表など、人前で何かを相手に伝えたことがある人は共感していただけると思いますが、「人に伝える・教える」ためには、自分自身でその内容を理解することが必要になるのです。

自分の中で曖昧な部分があると、相手が困ってしまったり、誤解してしまったりすることがあります。

だからこそ、「人に教える」のは一見相手のためになっているように見えて、それ以上に自分の勉強につながるのです。

授業内容バッチリ復習できる勉強法

僕は高校生の頃、実際にこの勉強法を実践していました。クラスメイトと4人組を作り、授業ごとに先生役になる人を決めて、授業内容を説明する、といったやり方です。これで、それぞれの授業の復習をしていました。

この復習法には次のようないくつかのルールが定められています。

・4人が偏りなく順番に「先生役」を行う
・先生役が授業の内容と重要なポイントを3分以内に説明する
・聞き手は、わからないところがあったら遠慮なく質問する

このルールを決めることで、先生役となった人は、授業後にきちんとその内容を説明するために授業を能動的に受けるようになります。

それだけではなく、先生役以外のメンバーも、授業後の説明が正しいかどうかをチェックするために、授業に集中するようになるのです。結果として、この教え合いを行っていたメンバーは僕も含めてみんな成績が伸びていきました。

「勉強」という言葉を聞くと、堅苦しいイメージを思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、実際にいい成績を収めている人は、さまざまな勉強法を楽しんで実践している人が多いのです。

(永田 耕作 : 現役東大生・ドラゴン桜チャンネル塾長)