ギネス記録も樹立した剛腕 短期免許で来日時に打ち立てた“史上初”とは
JRAの短期免許第1号となったL.クロップ騎手が、94年6月25日にJRAで初騎乗してから、今年でちょうど30年となる。これまでに述べ70人以上の名手が海の向こうから来日し、日本の競馬を盛り上げてきた。そんな短期免許を取得したジョッキーたちの軌跡とは。K.デザーモ騎手は01年のオークスをレディパステルで制し、外国人騎手として初のクラシック制覇を果たした。
デザーモ騎手は86年に米国でデビュー。87年にエクリプス賞最優秀見習い騎手となると、89年には年間598勝をマークしてエクリプス賞最優秀騎手を受賞した。598勝は今なおギネス記録として登録されている。そして日本で一気に知名度が上がったのは93年のジャパンC。コタシャーンに騎乗し、直線で外から脚を伸ばしたものの、残り100mのハロン棒をゴール板と勘違いして追う動作をやめるハプニング。すぐに気が付いて追い出したものの、レガシーワールドから1馬身1/4差の2着だった。この騎乗で当時としては最高額の過怠金5万円の制裁を科されている。
その後も00年に日本人が所有するフサイチペガサス(Fusaichi Pegasus)でケンタッキーダービーを制するなど活躍を続けた。日本における短期免許は01年に初めて取得。いきなりレディパステルでオークスを制し、外国人騎手による初のクラシック制覇を果たした。さらに同年はマキバスナイパーで帝王賞、ブロードアピールでプロキオンS、ノボジャックで北海道スプリントCを制するなど大暴れ。アメリカ同時多発テロの影響で、秋の再来日は断念したが、この年のJRA賞最高勝率騎手賞を獲得した。
今年で54歳となったデザーモ騎手だが、元気に現役を続けている。日本での騎乗は14年が最後となっているが、再来日を心待ちにしたい。