『スター・トレック』に登場した最も不快な食べ物とは?

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『スター・トレック』の世界では、SFらしく現実では考えられないようなことが度々起こるが、『スター・トレック:ディスカバリー』では、私たちは到底食べることのないある物を口にしている。

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りんごに見えるけど…?

U.S.S.エンタープライズ号の食事が気になる人にぜひ見てほしいのが、『ディスカバリー』シーズン3第12話「潮時」。この回では、チャールズ・ヴァンス提督(オデッド・フェール)がオサイラー(ジャネット・キダー)と会う。会話の中で、オサイラーはエネルギーを物質、特に食べ物に変えることができるレプリケーターで作られたりんごについてコメントする。すると提督は言うのだ。

「それはクソから作る。原材料をレプリケーターで原子レベルまで分解し、再構築する」と。オサイラーはすぐに口から出すのだが、チャールズは説明を続ける。

もちろん、便を原子まで分解して再構築するのであれば、本質的にはまったく新しいものが生まれると言えて、衛生面のプロセスも経ているだろう。また、エンタープライズ号で排出されるものを再利用できれば、廃棄物の処理に困ることもない。提督が言う通り、「クソにしては上出来だ。殺戮も必要ない」のだ。

うんちを食べるのは論理的?

エンタープライズ号が宇宙に長期滞在し、物質が限られていることを考えれば、手持ちの廃棄物を再利用する方法を見つけることは理にかなっているだろう。原子まで分解されれば、それはもはや「うんち」ではなく、「そこそこおいしい」食べ物に変換することができるのだ。

提督の暴露は、『スター・トレック』の歴史の中でも実に興味深い瞬間だが、実は、これは現実でも注目されている技術。2023年、NASAは国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する宇宙飛行士が、汗や尿を飲料水にリサイクルするテクノロジーを持っていることを明らかにした。現段階では尿を飲料水にできるレベルまでのようで、便を分解して食用にする方法が解明されるのは、まだ先の話。とはいえ可能性はあるようで、米ABCニュースは、「エンジニアたちは食料、空気、水をリサイクルする方法を含め、宇宙飛行士が補給ミッションなしで基本的なニーズを満たすための方法を研究してきた」と伝えている。

しかも、レプリケーターの場合は「そこそこおいしい」レベルまで変換できるのだから、その技術の高さは相当なもの。うんちを食べていると知ると最悪な気持ちになるかもしれないが、衛生的に再構築されていることを考えれば、この世で一番最悪な食べ物ではないのかも?

『スター・トレック:ディスカバリー』シーズン1〜4はU-NEXTで配信中、最終章のシーズン5はParamout+で独占配信中。(海外ドラマNAVI)

参考元:Looper