史上6頭目の牝馬による宝塚記念Vへ 独が誇る名牝の孫は覚醒のときを迎えるか
京都競馬場で6月23日(日)に行われる宝塚記念(3歳上・GI・芝2200m)。今年も好メンバーが集った“春のグランプリ”で、ルージュエヴァイユ(牝5、美浦・黒岩陽一厩舎)が史上6頭目の牝馬制覇を狙う。
同馬は父ジャスタウェイ、母ナッシングバットドリームズ、母の父Frankelの血統。祖母のデインドリームは凱旋門賞(仏G1)やバーデン大賞(独G1)を制したドイツが誇る名牝で、11年にはジャパンCにも出走(6着)している。
ルージュエヴァイユは21年12月にデビューを迎え、新馬戦、デイジー賞と連勝して重賞戦線へ。フローラSで5着、オークスで6着と見せ場を作ると、秋には2勝クラス、3勝クラスを連勝で突破し、OP入りを決めた。
昇級後は12着、10着と崩れたが、昨年のエプソムCで2着に入り、府中牝馬S、エリザベス女王杯で続けて2着に好走。前走の大阪杯でも3着と、これまで重賞勝ちこそ無いが、あと一歩の競馬を続けている。通算成績は13戦4勝。
牝馬による宝塚記念制覇はこれまで5頭。66年にエイトクラウンが初めて制すと、次は39年の月日が空いて、05年のスイープトウショウまで現れなかった。だが、近年は急激に戴冠例が増え、16年マリアライト、19年リスグラシュー、20年と21年はクロノジェネシスが連覇と珍しい物ではなくなっている。ルージュエヴァイユにもチャンスは十分あるだろう。
今年の京都記念こそ8着に敗れているが、昨秋のエリザベス女王杯では2着に入っており、京都2200mへの適性はバッチリ。馬名の意味を探ってみると、「冠名+フランス語で覚醒」という意味が込められている。今こそ大舞台で素質開花のときだ。