Steamを運営するValveが1400万人のゲーマーに過大請求した疑いで1300億円規模の訴訟に直面
PCゲーム販売プラットフォームの「Steam」を運営するValveが、その強大な市場支配力を乱用してパブリッシャーならびに顧客へ過大な料金を請求したとして、イギリスで訴訟を起こされました。
Valve faces $843 million lawsuit in UK for allegedly overcharging 14 million gamers | TechSpot
https://www.techspot.com/news/103366-valve-faces-843-million-lawsuit-uk-allegedly-overcharging.html
https://www.pcgamer.com/gaming-industry/valve-is-being-sued-in-the-uk-for-dollar843-million-for-overcharging-14-million-pc-gamers-and-abusing-its-dominant-position-with-steam/
この訴訟はデジタル著作権活動家のヴィッキー・ショットボルト氏がイギリスで起こしたもので、Valveに対して6億5600万ポンド(約1300億円)の支払いを求めています。
ショットボルト氏の訴えによると、Valveはパブリッシャーに価格協定を結ばせており、Steam以外のプラットフォームでSteamより安く販売することを制限しているとのこと。さらに、Steamはパブリッシャーへ最大30%の手数料を請求していることから、パブリッシャーは手数料を加味した販売価格を設定せざるを得ず、消費者の不利益になる状態が続いているとされています。
ショットボルト氏は、Valveがイギリスの競争法に少なくとも6年間違反していると非難し、それと知らずに過大請求された可能性があるイギリスのPCゲーマーは1400万人に上ると試算しました。
テクノロジー系メディアのTechSpotは、今回の訴訟と、2022年にソニーを相手取って起こされた訴訟の類似点を指摘しています。
2022年、イギリスの消費者権利擁護団体は、ソニーが運営するゲーム販売プラットフォーム「PlayStation Store」の手数料が高すぎるとして、ソニーに対して最大50億ポンド(約1兆円)の損害賠償を求める訴訟を起こしました。この訴訟でも同様に、ソニーがパブリッシャーへ科している30%の販売手数料によりパブリッシャーは値上げを実施せざるを得ず、結果的に消費者が不利益を被っていると指摘されています。この訴訟は後に審議され、最大63億ポンド(約1兆3000億円)相当の集団訴訟に臨む必要があるとの判決が下されています。
ソニーがプレステのゲームをPlayStation Storeで独占的に販売しながら販売価格の30%を手数料として徴収するのは違法であるとして最大1兆2000億円の集団訴訟に直面する危機 - GIGAZINE
なお、アメリカでもValveに対して同様の訴訟が起こされましたが、「Steamの販売手数料はパブリッシャーに無料サービスを提供するプラットフォームの価値に見合っていると考えられる」などの理由から棄却されています。
Steamに対する「30%の手数料は独占禁止法違反」という訴えが棄却される - GIGAZINE
by Global Panorama