Microsoftは2024年5月20日に、PC上の操作をスクリーンショットとともに記録して後から検索可能にするAI機能「Recall」を発表しました。しかし、Recallにはセキュリティやプライバシーに関する懸念の声が続出。これらの懸念を受けて、Microsoftはセキュリティやプライバシーに関する懸念を受けてRecallの機能を見直すことを2024年6月7日に発表しました。

Update on the Recall preview feature for Copilot+ PCs | Windows Experience Blog

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RecallはWindowsに搭載予定のAI検索機能で、PC上の操作をスクリーンショットとともに記録し、スクリーンショット内に含まれる文字列や画像をデータベース化して後から検索できるようにするものです。Microsoftは、Recallを強力なAI処理専用チップを備えたCopilot+ PCの目玉機能としてアピールしていました。

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しかし、Recallは「PC上の操作をすべて記録する」という特徴からプライバシー上の懸念を指摘する声が多く寄せられました。さらに、PCからRecallの記録データを抜き出す方法がセキュリティ研究者によって発見されるなど、セキュリティ上の問題点も明らかになりました。

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Recallに対する不安が高まる中、Microsoftは2024年6月7日にRecallの機能見直しを発表しました。Microsoftが明かした主な変更点は以下の通りです。

◆Recallをデフォルトでオフに

PCがRecallに対応していたとしても、Recallはデフォルトで無効状態となります。Recallを有効化するには、ユーザーが自ら操作する必要があります。



◆Recallを使うにはWindows Helloが必須に

Recallを有効化するには、顔認証や指紋認証での本人確認が可能なWindows Helloの利用が必須となります。また、Recallの検索機能を使う際もWindows Helloでの認証が必要です。



◆セキュリティの強化

Recallに「Windows Helloの強化されたサインインセキュリティ(ESS)」で保護されたデータ保護レイヤーが追加され、Recallのスナップショットや検索インデックスが暗号化されます。

また、MicrosoftはRecallのプライバシー保護対策を明確にするために以下の特徴を挙げています。

・Recallスナップショットはローカルに保存され、ローカルで処理される

・RecallスナップショットはAIの学習に使われない

・RecallスナップショットはMicrosoftに送信されない

・Recallスナップショットは同デバイスの他ユーザーから閲覧されない

・管理者であっても他ユーザーのRecallスナップショットを閲覧することはできない

・Recallの使用中はタスクバーにRecallのアイコンが表示され、スナップショットを保存中であることが明確になる

・「Edge」「Chrome」「Firefox」「Opera」「Chromiumベースのブラウザ」のプライベートブラウジングの内容は保存しない

・Recallが保存したデータはいつでも削除可能

・業務用デバイスでは、IT管理者がユーザーのRecallを無効化できる。一方で、管理者によるRecallの有効化は不可能