スモールフォームファクター(SFF)PCは高性能なコンポーネントを小型のケースに詰め込むことで、高性能PCの設置や持ち運びを容易にします。しかし、グラフィックスカードなどのコンポーネントが、小型ケースとの互換性があるのかどうかを調べるのは大きな手間がかかります。そこでNVIDIAが、グラフィックスカードやPCケースのメーカーと協力し、GeForce RTXシリーズがSFF用ケースに適合するのかどうかがすぐに判断できる「SFF-Readyガイドライン」を導入すると発表しました。

コンパクトに構築、大胆にプレイ - SFF 対応 GeForce カードとケースの紹介 | GeForce News | NVIDIA

https://www.nvidia.com/ja-jp/geforce/news/small-form-factor-sff-ready/

Build Small. Play Big. | SFF-Ready Enthusiast GeForce Cards and Compatible Cases - YouTube

近年はコンピューターコンポーネントの小型化と効率の向上により、多くのPCケースメーカーがSFFに対応したラインナップを発表しています。しかし、依然としてコンポーネントの互換性は課題であり、購入者は仕様書を詳しく調べたり経験者に尋ねたりして、コンポーネントやケーブルを配置できるスペースがあるかをチェックしなければなりません。



個々のコンポーネントの性能が上がるにつれ、グラフィックスカードが小型PCケースに搭載可能か否かを判断するのは難しくなっています。



GeForce RTXシリーズにはさまざまな形状やサイズがあり、ケースメーカーのサイトにも製品の寸法が明記されています。



しかし、SFF用ケースに電源ケーブルやコネクタのクリアランスがあるのかどうかを調べるのは、手間がかかる作業です。



そこでNVIDIAはグラフィックスカードやPCケースのメーカーと協力し、グラフィックスカードとSFF用ケースの互換性をわかりやすく示す「SFF-Readyガイドライン」を導入しました。これにより、GeForce RTXシリーズを使用するゲーマーは、どのSFF用ケースがどのグラフィックスカードと互換性があるのかを簡単に判断できるようになります。



SFF-Readyガイドラインに対応したGeForceグラフィックスカードは、RTX 4070以降で「電源ケーブルの曲げ半径を含む最大高さ151mm」「最大長さ304mm」「最大厚み50mmまたは2.5スロット」の要件を満たしています。



SFF-Readyガイドラインに対応したSFF用ケースには、この寸法に対応するスペースとカードからサイドパネルまでの距離が確保されています。



2024年6月2日の時点で、NVIDIAとそのパートナーであるASUS・GALAX・GIGABYTE・INNO3D・MSI・Palit・PNY・Zotacには、SFF-Readyガイドラインを満たす36種類のGeForce RTX 40シリーズグラフィックスカードがあるとのこと。



また、記事作成時点でNVIDIAと協力してSFF-Readyガイドラインを満たすラインナップを持っているSFF用ケースメーカーは、Cooler Master・Corsair・Fractal Design・InWin・KOLINK・Lian Li・MSI・NCASE・NZXT・Phanteks・SilverStone・Sliger・Thermaltakeとなっています。



ASUSのコーポレート担当ヴァイスプレジデント兼マルチメディア部門ゼネラルマネージャーを務めるケント・ジェン氏は、「私たちはSFFコミュニティの熱心なサポーターとして、NVIDIAと提携してコンパクトかつ省スペースな設計で強力なパフォーマンスを提供できることを誇りに思います。当社のSFF対応GeForceグラフィックスカードとケースにより、SFFの可能性を最大限に体験できます」とコメントしました。

メーカーの製品ページと小売店のリストは間もなく更新され、SFF-Readyガイドラインに適合したグラフィックスカードに「SFF-Ready GeForce カード」、ケースに「SFF-Ready GeForce カードと互換性あり」と表示されるようになるとのことです。