アトムテックの折りたたみ式電動モビリティ「ATOM Full eBike」は、特例特定小型原動機付自転車に分類され、16歳以上なら免許不要で乗ることができます。そんなATOM Full eBikeの試作品がGIGAZINE編集部に届いたので、実際に乗り回して満充電状態での航続距離や乗り心地を確かめてみました。

ATOM Full eBike | ATOM 公式ストア

https://www.atomtech.co.jp/products/atomfullebike

ATOM Full eBikeは自転車に近い形状の折りたたみ式電動モビリティです。ATOM Full eBikeの装備や充電方法などは、以下の記事に詳しくまとめています。今回はATOM Full eBikeを実際に運転して、満充電からの走行可能距離や乗り心地を確かめてみます。

免許不要で乗れる最高時速20kmの折りたたみ式電動モビリティ「ATOM Full eBike」外観レビュー - GIGAZINE



◆交通ルールについて

ATOM Full eBikeは特例特定小型原動機付自転車に分類される電動モビリティです。特例特定小型原動機付自転車は16歳以上なら免許不要で運転可能で、車道を時速20kmで走行できます。さらに、最高速度を時速6kmに制限することで、「普通自転車等及び歩行者等専用」の標識のある歩道を走行することも可能。ただし、自賠責保険への加入やナンバープレートの取得は必須です。特例特定小型原動機付自転車に関する詳しいルールは、以下の警察庁のページで確認できます。

特定小型原動機付自転車に関する交通ルール等について|警察庁Webサイト

https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/tokuteikogata.html



◆ATOM Full eBike試乗レビュー

ATOM Full eBikeの走行性能を確かめるべく、実際に満充電状態からバッテリー切れまで公道を走行してみます。今回は安全のためにヘルメットを着用しました。ドライバーの体重とヘルメットと荷物を合わせた重さは約70kgです。



ATOM Full eBikeのバッテリー残量や走行距離はハンドル左側に搭載されたコントローラーで確認可能。満充電状態・電圧40Vの状態から運転開始です。なお、今回はATOM Full eBikeの走行距離表示だけでなく、スマートフォン向けGPSトラッキングアプリ「ジオグラフィカ」でも走行距離を測定しています。



ATOM Full eBikeの最高速度は時速20km。水平な道やゆるい上り坂ではアクセルを最大までひねっても時速19.5kmくらいまでしか上がらないようにモーターの出力が自動制御されていました。乗り心地はかなり自転車に近く、ペダルをこぐ操作がアクセルをひねる操作に変わっただけ。このため、自転車に乗れる人ならほぼ練習不要で簡単に乗りこなせそうです。



自転車なら降車して車体を押して歩きたくなるような急な上り坂でも、降りずに運転し続けられました。ただし、急な上り坂では最高速度が時速10kmくらいにまで落ちました。また、急な下り坂では時速20kmを超えてしまうため、適宜ブレーキをかける必要があります。ブレーキは前後輪ともにディスクブレーキを採用しており、急な下り坂でも問題なく制動できました。



ATOM Full eBikeは基本的に車道を走行する必要がありますが、「特定小型原動機付自転車・自転車専用」「特定小型原動機付自転車・自転車一方通行」「普通自転車専用通行帯」といった標識のある自転車道も走行可能です。



このため、自動車の交通量の多い幹線道路などでも自転車道が整備されている場所なら走行できます。「この道は特定小型原動機付自転車でも走行できるのかな?」と不安になった場合は、管轄する警察署に問い合わせるのがオススメ。今回も走行する道路を管轄する警察署に問い合わせて走行可能な道路を確認したうえで試乗しています。



また、ATOM Full eBikeには最高速度を時速6kmに制限する「歩道走行モード」も搭載されており、歩道走行モードなら「普通自転車等及び歩行者等専用」の標識がある歩道を走行できます。ただし、歩道走行モードはかなりゆっくり進むためバランスをとるのが少し難しく、車体を押して歩く方がスムーズに進めると感じました。



満充電状態から35.4km進んだ段階でバッテリー残量ゲージが残り1本になり、電圧は31Vにまで下がりました。



そして、36.8km走ったところでバッテリー残量ゲージ0本、電圧29Vとなり、前に進めなくなりました。



GPSトラッキングアプリでは走行距離34.2kmと記録されていました。



ATOM Full eBikeは自転車に似た形状ですが、ペダルは搭載されていません。このため、バッテリーが切れたら車体を押して歩く必要があります。今回の試乗では34〜37km走行できたため、片道15kmくらいの距離なら余裕をもって走行できそうです。



なお、ATOM Full eBikeは2024年5月30日から販売が始まっており、2024年6月中旬に出荷開始予定です。価格は税込21万7800円で、記事作成時点では割引価格の税込16万4780円で入手可能。また、先着1000台まではヘルメットも無料も付いてくるとのことです。

ATOM Full eBike | ATOM 公式ストア

https://www.atomtech.co.jp/products/atomfullebike