AMD・Intel・Google・Microsoft・Meta・Broadcom・Cisco・Hewlett Packard Enterprise (HPE)が、データセンターにおける次世代のAIアクセラレーター向けの高速かつ低レイテンシーな通信を実現するためのオープンな業界標準「Ultra Accelerator Link」(UALink)を開発すると発表しました。

AMD, Broadcom, Cisco, Google, Hewlett Packard Enterprise, Intel, Meta and Microsoft Form Ultra Accelerator Link (UALink) Promoter Group to Drive Data Center AI Connectivity | Business Wire

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UALinkは、AIアクセラレーター間のより効果的な相互接続を可能にするオープンな業界標準を定義・確立することで、システムOEM、IT専門家、システムインテグレーターがAI接続データセンターの統合、柔軟性、スケーラビリティを容易に実現できるようにします。これにより、AIワークロードに最適化されたオープンで高性能な環境が提供されます。

UALinkのバージョン1.0では、信頼性が高くスケーラブルで低レイテンシーなネットワーク内のAIコンピューティングポッドで最大1024個のアクセラレーターを接続できるようになるとのこと。この仕様により、AMDのInstinctやIntelのGaudiなどのアクセラレーターに接続されたメモリ間で直接データ転送が可能になり、AIコンピューティングのパフォーマンスと効率が向上します。



今回提携を発表した8社は2024年第3四半期(7〜9月)にUALinkコンソーシアムを設立し、UALink バージョン1.0の詳細な仕様を公開する予定です。

AMDのデータセンターソリューション部門エグゼクティブヴァイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーであるフォレスト・ノロッド氏は「UALinkの企業が行っている作業は、オープンで高性能、そしてスケーラブルなアクセラレータファブリックを作成するためのAIの将来にとって重要です。私たちは共に、オープン標準、効率性、堅牢なエコシステムサポートに基づく大規模なAIおよび高性能なコンピューティングソリューションの作成における広範な経験を提供します。AMDは、AI技術のあらゆる側面を前進させ、オープンAIエコシステムを強固なものにするために、私たちの専門知識、技術、能力をこのグループやその他のオープン業界の取り組みに貢献することにコミットしています」と述べています。

Intelのネットワークおよびエッジ部門シニアヴァイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーであるサチン・カッティ氏は「UALinkは、人工知能コンピューティングの進歩にとって重要なマイルストーンです。Intelは、この新しいテクノロジーを共同でリードし、オープンでダイナミックなAIエコシステムを構築するための専門知識を提供できることを誇りに思っています。この新しいコンソーシアムの創設メンバーとして、私たちは、UALink標準を通じて提供される業界イノベーションと顧客価値の新たな波を楽しみにしています。このイニシアティブは、ウルトラ・イーサネット・コンソーシアムやその他の標準化団体におけるリーダーシップの役割を含む、AIコネクティビティイノベーションに対するインテルのコミットメントを拡大するものです」とコメントしました。



IT系ニュースサイトのTom's Hardwareは、「AMD、Broadcom、Google、Intel、Meta、Microsoftはいずれも独自のAIアクセラレータを開発しており、CiscoはAI用のネットワークチップ、HPEはサーバーを製造しています。これらの企業は自社のチップのインフラストラクチャを可能な限り標準化することに関心を持っており、そのためにUALinkコンソーシアムで提携しています。ただし、NVIDIAは独自のインフラストラクチャを持っているので、UALinkの共同開発には当然関心がありません」と述べて、AI向けハードウェア関連ではNVIDIAの独走状態が続いていることから、UALinkコンソーシアムの発足はNVIDIAに対抗する意味もあると指摘しています。