トゥドール監督の下で覚醒した鎌田。(C)Getty Images

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 監督交代で事態が好転しただけではない。鎌田大地ラツィオで中心的な存在となりつつある。

 イゴール・トゥドール監督の就任後、鎌田はセリエAの5試合すべてでスタメンに名を連ねた。4試合連続でフル出場している。黒星を喫したローマダービーは2列目でスタートしたが、それ以外はダブルボランチの一角として起用された。

 最終ラインに下がってビルドアップに貢献し、深い位置まで攻め上がって好機を演出するなど、ピッチの広い範囲をカバーし、攻守両面でインパクトを残している鎌田のパフォーマンスには、指揮官やメディアから大きな賛辞が寄せられている。

 マウリツィオ・サッリ前監督の下では、チームと合わずに「謎」「異物」とも評された。ラツィオ専門サイト『La Lazio Siamo Noi』は4月28日、「おそらく、ダイチ・カマダの謎は解決された。トゥドールの『治療』のおかげで、わずか1か月強でラツィオの中心に戻ったのだ」と報じた。

「クロアチア人マエストロになってまったく別物となっている。日本人選手は決してピッチから出ることがなく、試合中に複数の役割を担う。監督は就任してすぐに『私のサッカーにより適している』と説明した。今の彼は本当に不可欠な存在のようだ。30日前には考えられなかった状況だが、今はそれが現実となっている」
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 さらに、同メディアは「出場時間、走り、ユーティリティ性だけではない。ドイツ時代のように決定的にもなった」と続けている。

ラツィオでの得点はシーズン序盤のナポリ戦の1ゴールだけで変わらない。だが、ジェノア戦ではルイス・アルベルトの決勝点をアシストした。オリンピコでのヴェローナ戦でもペドロの決定機を演出している。チームにおける日本人選手の役割は完全に変わった。プロジェクト外からほとんど技術的なリーダーとなっている。今、彼の未来は再び論じられるようになった」

 試合後に指揮官が絶賛したこともあり、一時は退団確実とも言われた去就を巡る噂も後を絶たない鎌田。トゥドールの下で輝く彼が、来季どこでプレーするのか注目だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部