by Alberto Alvarez-Perea

コンピューターやプログラムに関する質疑応答サイト・Stack Exchangeで、「Windows 98のセットアッププログラムで表示されるウィンドウのスクロールバーやボタンなどが、Windows 3.1のようなより古いWindowsのUIスタイルに似ているのはなぜか」という質問が寄せられており、Debian開発者のスティーブン・キット氏が回答しています。

Why does part of the Windows 98 Setup program look older than the rest? - Retrocomputing Stack Exchange

https://retrocomputing.stackexchange.com/questions/14903/why-does-part-of-the-windows-98-setup-program-look-older-than-the-rest

Windows 98の画面はこんな感じ。



by boy avianto

Windows 3.1の画面の例が以下です。



そして、質問者であるワンダー・ナウタ氏が投稿したWindows 98のセットアップ画面がこれ。ナウタ氏は「スクロールバーやボタン、タイトルバーがWindows 3.1あるいはWindows 3.11に使われた『ctl3d』スタイルに似ている」と指摘。セットアップ作業中に「コンピューターの再起動」を行うと、以降はWindows 98のUIに切り替わるように見えるため、なぜこのような違いが生まれるのかが疑問だとナウタ氏は述べています。



キット氏によれば、Windows 98をセットアップする初期段階でWindows 3.1が実行されているためだとのこと。Windows 98のセットアッププロセスは3つの異なるオペレーティング環境で3つのステップを進める構成になっています。そして、Windows 98のインストールが完了するまで、それぞれのステップで次のオペレーティング環境のインストールを行うとのこと。

1ステップ目ではフロッピーやCD-ROMからDOSプログラムであるDOSSETUP.BINを実行し、ディスクパーティションをセットアップしてチェックを行います。つまり、1ステップ目ではDOSで処理が行われているというわけです。この時、Windows 3.1の最小構成をターゲットのインストールドライブの一時ディレクトリにコピーします。



2ステップ目はこのWindows 3.1の最小構成を用いて、SYSTEM.INIでシェルとして指定されている「W98SETUP.BIN」を実行します。そして、セットアップ中の情報収集をサポートするために、大量のファイルをコピーします。これにはWindows 98のUIを含む様々な機能が含まれているとのこと。



Windows 98の大部分をコピーしたら、ターゲットドライブからWindows 98を起動するようにシステムを設定し、再起動を行います。そして、再起動後の3ステップ目で、Windows 98が正式に起動します。



なお、キット氏によれば、Windows 98がプリインストールされたPCの多くは、この2ステップ目が終了した段階で出荷されているそうです。