45歳からのキャリア強化ゼミ 第1回 プロンプト公開! ChatGPTを活用した職務経歴書ブラッシュアップ術
多くの人がキャリアの停滞感を実感するのは、45歳前後と言われます。45歳 ーー それは、このまま終わるのか、もう一度輝くのかのわかれ道です。一方、80歳まで働くことが当たり前になる人生100年時代においては、職業人生は終わるどころかまだ中間地点。後半30年間を消化試合にせず、前半戦以上に充実したものにできるよう、本連載「45歳からのキャリア強化ゼミ」をスタートします。
私が代表を務める45歳からの実践型キャリアスクール「ライフシフトラボ」では、人生後半も活躍し続けたい40代・50代ビジネスパーソンを対象に、転職、複業、独立起業のパーソナルトレーニングを提供しています。経済産業省指定のリスキリング講座にも採択されており、ミドルシニア世代の幅広い就業機会創出に取り組んでいます。
この連載では、ライフシフトラボのキャリア支援現場での活きた知見をもとに、抽象的なキャリア論ではなく、今日から試せる実践的なハウツーをお届け。初回のテーマは、転職活動です。
○45歳からの転職活動は、書類選考で9割落ちる
いきなりクイズです! 45歳以上の方が転職活動で1社内定を獲得するには、何社に応募する必要があるでしょう。ぜひ考えてみてください。
もちろん、職種や業界、地域、年収などによって事情はまったく異なるためやや乱暴な議論ではあるのですが、ひとつの目安として150社応募することは決して珍しいことではありません。
「35歳転職限界説」はさすがに過去のものとなりましたが、それでも転職活動において年齢を重ねることがいまだに逆風になることは、多くの調査が示しています。同レベルの経験やスキルを持つ候補者であれば、より若いほうが好まれ、書類選考で9割お見送りになってしまう。これが40代・50代の転職活動の現実なのです。
このような条件下で40代・50代が理想の転職を実現するには、採用担当者の目にとまる非凡な職務経歴書を書き、年齢というハンディキャップを跳ね返すことが第一関門です。一次面接にまでこぎ着けてしまえば、それ以降の面接の通過率は20代でも50代でもさほど変わりません。
しかし、社会人経験が長い40代・50代だからこそ、これまで培ったさまざまな経験や強みをA4用紙2〜3枚にまとめることは、容易ではありませんよね。まさに今、転職活動を始めたいのに、なかなか筆が進んでいない方もいらっしゃるかもしれません。
そんなあなたに、転職活動の強力な味方が登場しました。それはズバリ、ChatGPTです。
○令和の転職活動のカギは、ChatGPTを使い倒すこと
マイナビニュースの読者の皆さんなら、ChatGPTとは何かは説明不要でしょう。実は、ChatGPTは転職活動でとても頼りになる相棒です。ChatGPTの力を借りて魅力的な職務経歴書を書いたり、企業研究をしたり、面接を練習することは、今後ますます当たり前に、もっと言えば、転職成功のためには必要不可欠になるでしょう。
ChatGPTを利用することはズルでもなんでもありません。採用担当者側としても、こうした便利ツールを使いこなせることも候補者の実力のうちと捉えるようになってきているのです。
そこで今回は、職務経歴書の中でも冒頭の「職務要約」をChatGPTに書いてもらう方法をお伝えします。職務要約は、それ以降を読み進めてもらえるかが決まる最重要セクションです。
採用担当者の心をつかむ職務要約をChatGPTに出力させるためのプロンプト(入力文)の作成手順は次の通り。いま転職活動真っ最中の方は、ぜひ試してみてください。
○1.あなたに関する基本情報を自分で書く
いかにChatGPTが優秀なAIでも、あなたのことを何も知らない状態で「私の職務経歴書を書いて!」と命令しても、さすがに書けるはずはありません。職務経歴や保有資格などの基本情報は自分で書き、前提情報としてChatGPTにインプットすることで、自分で書く以上の職務要約を生成してくれます。
そこでまずは、ChatGPTにあなたについて知ってもらうために、基本情報を書き出しましょう。客観的な事実が中心ですが、自己PRが難しい場合は、呼び水ワークに取り組んでみましょう。
【基本情報フォーマット】
【職歴】
20xx年y月〜20xx年y月 株式会社◯◯
・事業内容:
・業務内容:
・
・
・
・実績・取り組み:
・
・
(複数の職歴を書く場合は上記フォーマットを複製してください)
【保有資格】
・例)普通自動車一種免許
・例)調理師免許
・例)TOEIC:600点
【PCスキル】
・例)Microsoft Word:ビジネス文書作成
・例)Microsoft Excel:vlookup、sumproduct関数等を使用した高度な表作成
【自己PR】(箇条書きで3つ書いてください)
・例)メンバーが当事者意識と目標達成意欲を持てるマネジメント力
・例)データと感性による市場分析と課題発掘型の提案力
・例)自ら積極的にアプローチする攻めの販売力
【自己PRが思いつかない場合の呼び水ワーク】
それぞれの設問について思い当たることを書き出してみましょう。
・会社で上司や同僚によくほめられたり頼られたりすることは何ですか?
・仕事をする上でのモットーや心がけていることは何ですか?
・同僚よりも少しだけ得意だと感じる仕事は何ですか?
○2.ChatGPTのプロンプトを完成させる
ChatGPTから的確な回答を得るためには、的確な命令文(プロンプト)が必要です。ここでは、ライフシフトラボ独自開発のプロンプトを皆さんにプレゼントします。やり方は簡単。以下のプロンプトフォーマットをChatGPTに貼り付けて実行するだけです。「求職者情報」部分には、先ほど書き出した基本情報を丸ごとコピペすればOK!
【プロンプト】これをChatGPTに貼り付けて実行してください。
あなたは敏腕転職コンサルタントです。以下の求職者情報をもとに、職務経歴書の冒頭に記述する職務要約を作成します。「職務要約の心得」に従い、作成してください。
##職務要約の心得
・300字程度にまとめること
・一人称ですます調で書くこと
・職務経歴をまとめ、転職先企業に貢献できることを具体的に明記すること
・複数社に勤めていた場合は、直近もしくは在職期間の長い職歴を中心に書くこと
・専門用語を極力避け、具体的な事実を交えて書くこと
##求職者情報
(ここに基本情報をすべて貼り付け)
いかがでしたでしょうか。もし回答結果がイマイチであれば、実行し直せば別の文章が得られ、ピンとくる職務要約を得ることができます。応募したい企業の情報を付加することで、さらに精度の高い結果を出力することも可能です。ぜひプロンプトに適宜手を加え、自分の転職の希望条件や状況に応じた回答が出るように工夫してみましょう。
次回は、転職活動で必ずと言ってよいほど聞かれる「強み」の棚卸し方法の正解をお伝えします。
都築辰弥 つづきたつや 株式会社ライフシフトラボ 代表取締役 1993年生まれ。開成高校、東京大学工学部システム創成学科卒。学生時代は、国際学生NPOアイセックで活動した後、バックパッカーとして世界を一周。新卒でソニーに入社し、スマートフォンXperiaの商品企画担当として2019年フラグシップモデル「Xperia 1」などをプロデュース。その後、2019年8月に株式会社ブルーブレイズ(現ライフシフトラボ)を創業。45歳からの実践型キャリアスクール「ライフシフトラボ」を展開。 この著者の記事一覧はこちら
この連載では、ライフシフトラボのキャリア支援現場での活きた知見をもとに、抽象的なキャリア論ではなく、今日から試せる実践的なハウツーをお届け。初回のテーマは、転職活動です。
○45歳からの転職活動は、書類選考で9割落ちる
いきなりクイズです! 45歳以上の方が転職活動で1社内定を獲得するには、何社に応募する必要があるでしょう。ぜひ考えてみてください。
もちろん、職種や業界、地域、年収などによって事情はまったく異なるためやや乱暴な議論ではあるのですが、ひとつの目安として150社応募することは決して珍しいことではありません。
「35歳転職限界説」はさすがに過去のものとなりましたが、それでも転職活動において年齢を重ねることがいまだに逆風になることは、多くの調査が示しています。同レベルの経験やスキルを持つ候補者であれば、より若いほうが好まれ、書類選考で9割お見送りになってしまう。これが40代・50代の転職活動の現実なのです。
このような条件下で40代・50代が理想の転職を実現するには、採用担当者の目にとまる非凡な職務経歴書を書き、年齢というハンディキャップを跳ね返すことが第一関門です。一次面接にまでこぎ着けてしまえば、それ以降の面接の通過率は20代でも50代でもさほど変わりません。
しかし、社会人経験が長い40代・50代だからこそ、これまで培ったさまざまな経験や強みをA4用紙2〜3枚にまとめることは、容易ではありませんよね。まさに今、転職活動を始めたいのに、なかなか筆が進んでいない方もいらっしゃるかもしれません。
そんなあなたに、転職活動の強力な味方が登場しました。それはズバリ、ChatGPTです。
○令和の転職活動のカギは、ChatGPTを使い倒すこと
マイナビニュースの読者の皆さんなら、ChatGPTとは何かは説明不要でしょう。実は、ChatGPTは転職活動でとても頼りになる相棒です。ChatGPTの力を借りて魅力的な職務経歴書を書いたり、企業研究をしたり、面接を練習することは、今後ますます当たり前に、もっと言えば、転職成功のためには必要不可欠になるでしょう。
ChatGPTを利用することはズルでもなんでもありません。採用担当者側としても、こうした便利ツールを使いこなせることも候補者の実力のうちと捉えるようになってきているのです。
そこで今回は、職務経歴書の中でも冒頭の「職務要約」をChatGPTに書いてもらう方法をお伝えします。職務要約は、それ以降を読み進めてもらえるかが決まる最重要セクションです。
採用担当者の心をつかむ職務要約をChatGPTに出力させるためのプロンプト(入力文)の作成手順は次の通り。いま転職活動真っ最中の方は、ぜひ試してみてください。
○1.あなたに関する基本情報を自分で書く
いかにChatGPTが優秀なAIでも、あなたのことを何も知らない状態で「私の職務経歴書を書いて!」と命令しても、さすがに書けるはずはありません。職務経歴や保有資格などの基本情報は自分で書き、前提情報としてChatGPTにインプットすることで、自分で書く以上の職務要約を生成してくれます。
そこでまずは、ChatGPTにあなたについて知ってもらうために、基本情報を書き出しましょう。客観的な事実が中心ですが、自己PRが難しい場合は、呼び水ワークに取り組んでみましょう。
【基本情報フォーマット】
【職歴】
20xx年y月〜20xx年y月 株式会社◯◯
・事業内容:
・業務内容:
・
・
・
・実績・取り組み:
・
・
(複数の職歴を書く場合は上記フォーマットを複製してください)
【保有資格】
・例)普通自動車一種免許
・例)調理師免許
・例)TOEIC:600点
【PCスキル】
・例)Microsoft Word:ビジネス文書作成
・例)Microsoft Excel:vlookup、sumproduct関数等を使用した高度な表作成
【自己PR】(箇条書きで3つ書いてください)
・例)メンバーが当事者意識と目標達成意欲を持てるマネジメント力
・例)データと感性による市場分析と課題発掘型の提案力
・例)自ら積極的にアプローチする攻めの販売力
【自己PRが思いつかない場合の呼び水ワーク】
それぞれの設問について思い当たることを書き出してみましょう。
・会社で上司や同僚によくほめられたり頼られたりすることは何ですか?
・仕事をする上でのモットーや心がけていることは何ですか?
・同僚よりも少しだけ得意だと感じる仕事は何ですか?
○2.ChatGPTのプロンプトを完成させる
ChatGPTから的確な回答を得るためには、的確な命令文(プロンプト)が必要です。ここでは、ライフシフトラボ独自開発のプロンプトを皆さんにプレゼントします。やり方は簡単。以下のプロンプトフォーマットをChatGPTに貼り付けて実行するだけです。「求職者情報」部分には、先ほど書き出した基本情報を丸ごとコピペすればOK!
【プロンプト】これをChatGPTに貼り付けて実行してください。
あなたは敏腕転職コンサルタントです。以下の求職者情報をもとに、職務経歴書の冒頭に記述する職務要約を作成します。「職務要約の心得」に従い、作成してください。
##職務要約の心得
・300字程度にまとめること
・一人称ですます調で書くこと
・職務経歴をまとめ、転職先企業に貢献できることを具体的に明記すること
・複数社に勤めていた場合は、直近もしくは在職期間の長い職歴を中心に書くこと
・専門用語を極力避け、具体的な事実を交えて書くこと
##求職者情報
(ここに基本情報をすべて貼り付け)
いかがでしたでしょうか。もし回答結果がイマイチであれば、実行し直せば別の文章が得られ、ピンとくる職務要約を得ることができます。応募したい企業の情報を付加することで、さらに精度の高い結果を出力することも可能です。ぜひプロンプトに適宜手を加え、自分の転職の希望条件や状況に応じた回答が出るように工夫してみましょう。
次回は、転職活動で必ずと言ってよいほど聞かれる「強み」の棚卸し方法の正解をお伝えします。
都築辰弥 つづきたつや 株式会社ライフシフトラボ 代表取締役 1993年生まれ。開成高校、東京大学工学部システム創成学科卒。学生時代は、国際学生NPOアイセックで活動した後、バックパッカーとして世界を一周。新卒でソニーに入社し、スマートフォンXperiaの商品企画担当として2019年フラグシップモデル「Xperia 1」などをプロデュース。その後、2019年8月に株式会社ブルーブレイズ(現ライフシフトラボ)を創業。45歳からの実践型キャリアスクール「ライフシフトラボ」を展開。 この著者の記事一覧はこちら