Intel幹部いわく「次世代AI PCには40TOPS以上のNPUが搭載されてCopilotをローカルで実行可能になる」
MicrosoftはAIアシスタント「Copilot」をWindows向けに提供していますが、記事作成時点ではCopilotによる処理はクラウド上で実行されています。新たに、Intelの幹部が「将来的にAI PCには40TOPS以上の処理性能を備えたNPUが搭載され、Copilotがローカルで実行可能になる」と発言しています。
Intel confirms Microsoft's Copilot AI will soon run locally on PCs, next-gen AI PCs require 40 TOPS of NPU performance | Tom's Hardware
MicrosoftはAIの日常的なワークフローへの適用に力を入れており、Windows 11やWindows 10にAIアシスタント「Copilot」を搭載しているほか、2024年1月にはCopilotを一発で呼び出せる「Copilotキー」をキーボードに追加することも発表しました。すでに複数のPCメーカーがCopilotキー搭載ノートPCを発表しており、多くのPCでAI機能を気軽に使える状況が整いつつあります。
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また、Microsoftは「CPU、GPU、NPUを搭載している」「AIアシスタントのCopilotを利用可能」「Copilotキーを搭載している」の3点を満たしたPCを「AI PC」と定義しており、AI処理に特化プロセッサ「NPU」を搭載したPCの普及にも力を入れています。さらに、2024年3月にはIntelがAI PCの普及に向けた開発者支援プログラムを発表し、ソフトウェアとハードウェアの両面でAI PCの普及に向けた動きが加速しています。
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MicrosoftやIntelが示すAI PCの定義には「NPUの処理性能」に関する項目が存在していませんが、インターネット上では「Microsoftは『40TOPSのNPU』をAI PCの要件に設定しようとしている」というウワサも広がっていました。この件について質問されたIntelのクライアントコンピューティング部門の責任者を務めるトッド・ルウェレン氏は、「継続的な進歩に伴って40TOPSのNPUを搭載した次世代AI PCが登場するでしょう。私たちの次世代製品にはそのカテゴリに入るものが存在します」と述べ、「40TOPSの処理性能を備えたNPU」を開発中であることを認めました。
さらに、ルウェレン氏は「次の世代に進むに連れて、Copilotの多くの要素がローカルで実行可能になります。Copilotの全機能をローカルで実行できるかは分からないが、主要な機能の多くがNPUで処理されるようになるでしょう」とも述べています。
なお、Intelが2023年12月に発表したノートPC第14世代SoC「Core Ultra」シリーズはCPU・GPU・NPUを合わせて最大35TOPSの処理能力を発揮するとされています。
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また、Qualcommが2024年中の出荷を予定しているWindows PC向けSoC「Snapdragon X Elite」はNPU単体で45TOPSの処理性能を発揮することがアピールされています。
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