ベビーシッターの割引券、利用枚数の増加にともない、5年度の1.8倍の70万枚を発行へ
2月14日(水)の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、水曜コメンテーター・経済アナリストの森永康平氏と番組パーソナリティの寺島尚正アナウンサーが、ベビーシッターの割引券の発行をさらに増やすというニュースについて意見を交わした。
加藤鮎子こども政策担当相はきのうの記者会見で、ベビーシッターを利用した際の費用を一部補助する割引券について、令和6年度は約70万枚を発行すると明らかにした。割引券をめぐっては、昨年10月、今年度の発行上限である39万枚に達したことから発行を停止し、約2週間後に配布を再開した経緯があり、5年度の約1.8倍とする。
加藤氏は「近年、割引券の利用枚数が増加傾向にある。必要な方が活用できるよう、対前年比約6億8千万円の増額とした」と話した。また、未利用の割引券が企業に滞留することを防ぐため、1回当たりの発行上限枚数を縮小するなどの対策を行う。
今年度の利用状況は、昨年12月末時点で、約48万枚発行され、約33万枚が利用されている。
寺島尚正アナ「ベビーシッターの割引券、これは森永さん、どうご覧になりますか?」
森永康平「それだけ使っている人がいるんだなあというのが、結構意外でしたねえ。私、実はベビーシッターの件に関しては事業者や利用者にインタビューして記事を書いたことがあって。その時に結構意見として出たのが、やっぱりベビーシッターを使いたいというニーズがあるんですね。特に今は共働き世帯……我が家もそうなんですけど、かなり増えているので、どうしても共働きしていても、子供の世話とかっていうのがあると、2人がフルパワーで仕事に取り組むっていうのがなかなか難しくって。例えば子供が急に熱を出しちゃっていうのはまあまあよくある『イベント』なので、そういう時『ベビーシッターって使えたらいいよね』っていうのは結構みなさん言うんですけど、『じゃあ何で使わないんですか?』 って使ってない人とか、使うのをやめた人に聞いてみると、やっぱりまだ日本全体として、ベビーシッターに対する考え方があんまりまだ認められてないというか。例えばよく聞いたのが幼稚園のお迎えなどにシッターさんが行くと、『何でお母さんが迎えに来ないの?』って。子供ってすごいピュアなんで、全然悪意なくそういうのを聞いて、子供が嫌がったとか。あとは利用されている人たちも、別に何かを言われたわけじゃないんだけど、他のママ友は自分で育児をしているのに、自分だけがそういうのを使って、楽してズルいとか、みたいな後ろめたさがあって、使うのをためらっているみたいな、そういう声を聞いたことがあって。だからニーズはあるんだけど、使いづらい。それは制度としてじゃなくて、気持ち的な面で使いづらいみたいな意見を聞いて……」
寺島「取材された当時は、まだそこまで日本には浸透してなかったってことですね?」
森永「だからそういう意見を聞いて、確かにそういうのもあるんだろうなって思って、あんまり使う人もそこまでいないのかと思ったら、これだけ使ってる人がいるっていうことだったので、当時から結構時間が経ってるんですけども、日本社会も変わって来たのかなっていう印象を受けましたね」
寺島「1回使って、子供の拒絶などをクリア出来たとするならば、まあ体は助かるし、何しろ安心ですよねえ。自分の仕事にも専念しやすくなるということではねえ」
森永「僕はジャカルタとか台湾に住んでいたので、あっちは結構ベビーシッターさんだったりとか、広い意味でメイドさんみたいなのが文化として根付いてるので、特にああいうのを見ていると、確かに特に女性からすれば、そういうのを利用できる局面が増えていくと、仕事にも全力を注げるし、いい面もあるなと。もちろんそれによって、たまに……絶対起こるわけじゃないんですけども、シッターさんによる事故だったり事件だったり、やっぱり浸透すればそれは件数としては起きるので、そのあたりも広げていくにあたって事業者側がどのように防ぐのか、対策とかも必要なんだろうなという。相変わらず課題感はあると思いますけど、当時取材した時に比べれば大分利用者が増えているんだなっていうのが、この数字から受けましたね」