機体の制御に、方向舵や昇降舵、フラップ、エルロンなどをひっくるめた「動翼」ではなく、「アクティブ・フロー・コントロール(AFC)」と呼ばれる加圧ジェットを用いるジェット機「X-65」が、2025年夏に初飛行予定であることがわかりました。

DARPA Moves Forward on X-65 Technology Demonstrator

https://www.darpa.mil/news-events/2024-01-03



DARPA's wild X-65 CRANE aircraft aims for 1st flight in summer 2025 | Space

https://www.space.com/darpa-crane-x-65-aircraft-aurora-flight-sciences

X-65はアメリカ国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)とボーイングの子会社・Aurora Flight Sciencesが取り組んでいる「CRANE」プロジェクトの実験用ジェット機です。

航空機は通常、方向舵や昇降舵などの一次操縦翼面(舵面)と、フラップやスポイラーなどの二次操縦翼面をあわせた「動翼」で動きを制御します。

飛行制御機器

https://www.tkk-air.co.jp/aerospace/flight-control-equipment.html



しかし、X-65は動翼ではなく、AFCアクチュエーターを使用して機体制御を行います。

ただし、あくまで技術実証用の機体ということで、AFCアクチュエーター以外に、従来通りのフラップと舵も残されています。

すでにAurora Flight Sciencesによる機体製造は進んでいて、2025年初頭にロールアウト予定。初飛行は2025年夏の予定です。

CRANEのプロジェクトマネージャーを務めるリチャード・ウレジーン博士は「私は1999年にDARPAに来て、マイクロ・アダプティブ・フロー・コントロール(MAFC)と呼ばれるプログラムに取り組みました。MFACは流体力学の基礎的な理解の開拓に役立ち、最終的にはCRANEへとつながったのですが、私は2003年に一度辞めています。初期研究が実物の航空機として結実するところに戻ってこられたのは、一生に一度のチャンスです。航空宇宙技術者は、努力が飛び立つのを見るために生きているのです」とプロジェクトに携わる喜びを語っています。